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京都でイスラエル料理を楽しみ、中東の旅路に思いをはせる(前編)
  • EAT&DRINK
  • 2018.11.14

京都でイスラエル料理を楽しみ、中東の旅路に思いをはせる(前編)

京都で味わえる中東料理

国際的な観光都市である京都には、海外の本格的な料理を楽しめる店が多い。中東政治論の演習を担当している私は、1年に一度ゼミ学生と中東料理をたしなむことがある。上記写真の料理はファラフェルという。

イスラエル人たちはこれを「国民食(ナショナル・フード)」と呼んでいる。ちょうど日本人にとっての寿司のようなものだ。

丸いピタというパンは中が空洞になっている。ピタの端を開いて中にフムスというひよこ豆のペーストを塗り込む。レタスや赤キャベツと共に丸いコロッケ状の団子をいくつか放り込む。このボールがファラフェルだ。ひよこ豆と香辛料を混ぜてボールの形にして揚げたものをこう呼ぶ。テヒナーというホワイトソースのようなものを入れてもいいし、お好みでフライドチップスもぶち込む。

イスラエル国内を旅行すると、街のあちこちでファラフェル・スタンドを見かける。たいていのスタンドでは、羊肉を棒に刺して炙っている様子も見ることができる。ひよこ豆コロッケの代わりにそぎ落としたロースト羊肉を入れたものがシュワルマだ。こちらもスパイシーであり絶品だ。ファラフェルもシュワルマもイスラエルで食べるととても安い。ファラフェルは350円くらいだし、シュワルマでも500円くらいだ。

スタンドは狭くてカウンターの中に居る調理者は2人ぐらいだ。彼らにファラフェルかシュワルマか、どちらかを注文する。ピタに挟むサンドイッチスタイルにするか、皿に載せてプラスティック製のナイフとフォークで食べるかを選ぶことができるスタンドもある。中東に行くとどこでもそうだが、店主と客は掛け合いをする。レタスや赤キャベツ、玉葱などはショーケースに入っているから、ヘブライ語やアラビア語ができなくても注文は可能だ。

冒頭でも触れたように、ファラフェルは京都の出町柳で食べることができる。日本国内なので割高だが、味はイスラエル本国のものと全く同じである。京都にはイスラエル料理の他、トルコ料理の店とモロッコ料理の店があると聞く。イスラエルは移民国家なので、東欧や中東諸国からやってきたユダヤ移民達が持ち寄ってできたのがイスラエル料理なのだ。したがって品数もなかなかに豊富で、味わいもいろいろだ。日本人にとって食べにくいことはないと思うので、出町柳駅から高野川ぞいに北へ徒歩2分の「ファラフェル・ガーデン」でお試しあれ。

絶品「マンサフ」は複数人でわいわいと

モロッコ料理店を除くと、本格的なアラブ料理店は大阪や神戸に行かなくては楽しめないようだ。こちらの写真はヨルダンの首都アンマンで食べたケバブとマンサフである。

マンサフは炒めたバターライスに鶏肉をのせ、ヨーグルトソースをかけた料理であり、これまた絶品である。マンサフは家庭料理でもあるが、中東への旅行者なら本格的なレストランで食することが多いだろう。一人で黙々と食べるようなものではなく、数人で集まってわいわい言いながら食べるものだ。この写真を撮ったときは同行者が一緒だったのでわいわい言いながら食べた記憶がある。
普段の私のフィールドはイスラエル、それも西エルサレムやテルアビブといったユダヤ人が居住する都市なので、マンサフを食べた経験は少ない。またイスラエルにはたいてい一人で行くので、複数人とレストランに入ることはあまりない。日本と違い、中東や欧州だと一人でレストランに入る習慣がないせいか、現地で「お一人様」だとなかなか厳しいものがある。夕食を誰かと一緒にしないかぎり、イスラエル滞在中の夜、レストランに行くことはまずない。

「京都でイスラエル料理を楽しみ、中東の旅路に思いをはせる(後編)」へ続きます。

濱中 新吾

濱中 新吾

はまなか しんご

龍谷大学 法学部法律学科 教授

専門は中東政治論と比較政治学。主要な論文として “Sensitivity to Casualties in the Battlefield” Asian Journal of Comparative Politics 3(1), “Demographic change and its social and political implications in the Middle East” Asian Journal of Comparative Politics 2(1).などがある。2012年より日本比較政治学会理事。