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僕は火鍋に恋をした ~火鍋を愛し、火鍋に愛された男① ~

中村 篤史

デザインオフィス代表

僕は火鍋に恋をした ~火鍋を愛し、火鍋に愛された男① ~

中村 篤史

デザインオフィス代表

この物語は、食に対してストイックなまでに情熱を燃やす男が、現在進行形で「made in japanの火鍋」を世界に展開しようとする過程をおったビジネスストーリーです。

火鍋は人のご縁を強くします

突然ですが、私、デザイン業を営んでおります。
人生の楽しみの中心に「ウマい酒とウマい飯」があります。
こと食すことに関しては、これまで多大なるエネルギーを費やしてまいりました。

さて、ある晩自宅で、見よう見まねで火鍋をやってたんです。

通販で買った火鍋用の鍋を使って、輸入食品店で見つけた火鍋の素みたいなものに、
唐辛子、八角、棗なんかの中華スパイスを入れて、紹興酒で味を整えたりして。

今思えばめちゃくちゃなやり方なんですけど、それでも美味しくて、火鍋というものに
興味を持つようになりました。

その頃からあるきっかけで香港に行くようになったんですが、香港には沢山の火鍋店があって、
それが中国での初めての火鍋体験でした。

日本のチェーン店で食べるものとは全然違って、味はスパイシーでパンチがあるし、
つけだれはスパイスバーで好きなように調合して、食体験としても非常に楽しめました。
※大人がわくわくするような場所はレアなのです。

その時に現地の乾物屋で火鍋の材料になりそうなものを買ってみたんです。
乾燥したきのこ類や、スパイス、火鍋の素。
持ち帰って試してみたら、上手くいったり、イマイチだったりでしたが。

その頃に初めて知りましたが、火鍋の素の事を現地では火鍋底料って言います。
カレーでいうルーですね。
そうこうしてるうちに友人の中華料理店オーナーから美味しい底料があると教えてもらい、それを使ってやってみたんです。メインは羊肉。
まさに衝撃が走るウマさとはこのこと!恋に落ちてしまったのでした。
この感動を共有したい衝動は止むことを知らず、さらに現地から手に入れたスペシャルな底料を使いながら、自宅に友人を招いて毎週のように火鍋をするようになりました。

火鍋の良さは体験しないとなかなか分からないんですが、スバリ、誰とでも楽しめるところです。
自宅で寄せ鍋やすき焼きというと、目上の人や仕事関係の方はお誘いしにくいものです。
しかし、火鍋なら誘えます。

本格火鍋を楽しめる事はそうないので、大抵の方は興味津々でやってきます。

まずはシャンパーニュで乾杯。
前菜で少し舌を整えてから、ラムをしゃぶしゃぶ。
花椒の香りが鼻を通り抜けていきます。
つけダレはごま油をベースにたっぷり刻んだパクチーやニンニクをセルフブレンド。
好みの加減を見つけるのもワクワクします。

次に野菜や魚介類も投入。
リースリングなどの少し甘みを感じる白ワインがよく合います。

ホルモンや豚バラを入れる頃には、辛さは最高潮。頭頂部から汗が噴き出します。
赤ワインまで楽しんだ後はフルーツと中国茶をゆっくりと頂きます。

大抵の人はまだ本格四川火鍋を知りませんが、食べれば一気にウマさの波にさらわれます。
不思議なもので、一緒に火鍋を囲むと初対面でも食卓が一体になります。

本場四川では、人が集まれば決まって火鍋だそうです。
わたくし思うに、最高のコミュニケーションツールの一つです。
火鍋は人の縁をつなぐって、そう思います。

to be continue
次回予告【そして成都へ✈】