子どもと家で過ごす楽しみを増やそう!【家庭菜園】はじめの一歩。
子どもへの食育のコツなどを紹介する【がんばり過ぎない食育】シリーズ。今回は、まだまだコロナ禍で外出しにくい皆さんに、親子でできる家庭菜園の方法を紹介します。
とはいえ、”家庭菜園”と聞くだけで「めんどくさい…」と思いませんでしたか?そう、筆者である私も実はそのタイプ。ですので、あまり手間暇もお金もかけない、まさに”がんばらない”方法にチャレンジしてみました。
この前編では、私が子どもとはじめてみた家庭菜園の内容とメリットをお伝えします。
最初、種まきに何となく抵抗があった私(それよりも目に見えるものが欲しかった…)。なので、まずは近所のホームセンターに行き、そのまま収穫できそうな野菜の苗を買って植えるところからはじめてみました。
バジルと大葉(青ジソ)の苗を各129円でゲットし、そのまま100円ショップへ直行。5号の植木鉢2つを100円、受け皿も2枚100円、土も100円、鉢底石も100円で。計660円程度です。
ベランダで息子と植え付け。植木鉢の底に石を敷き詰めて、その上に土を入れたら苗を植え、土をさらに乗せて完成です。最後にたっぷりとあげて日当たりの良い場所に置けばOK。息子は自分のお椀にお水を汲んできて、せっせと水をあげていました。もう既に葉っぱが何枚もあるので、そのまま収穫できそうでしたが…我慢しました(笑)。
そして9日後に最初の収穫!毎日水やりをしてもう盛り盛りと育ってきたバジルと大葉をボールに採ってよく洗います。
さっそく、ピザが大好きな息子と、餃子の皮を買ってきてピザパーティを開催することにしました。
●餃子の皮で作るピザ
作り方はとっても簡単で、餃子の皮(できれば大判のものが作りやすい)にピザソースを塗り(ケチャップでもOK)、ピーマンや玉ねぎ、アスパラガス、コーンやソーセージなど好きなものを乗せ、最後にバジルや大葉、チーズをたっぷりかけてオーブントースター(220℃ぐらい)で数分焼くだけ。大葉は和の食材が合うので、シラスや干しエビなどと合わせるとちょっと大人なピザができますよ。
子どもはトッピングするのが大好き。遊び感覚で“作る”ことが楽しいのでしょうね。そんな楽しい気持ちがきっかけになり、料理やお手伝いが好きになってくれたらいいなと感じました。
ちなみに息子は自分が育てた大葉が大好きになり、自分で収穫して水で洗ってそのままパクパク食べるように(笑)。大葉にはビタミンが多く含まれており、特にβ-カロテンの含有量はトップクラス。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されますが、このビタミンAは皮膚や粘膜の健康を維持し、抵抗力を高める働きもあるのでオススメです。
また、大葉がたくさん採れたので、つくねも作ってみることにしました。
●つくね甘辛照り焼き
鶏のひき肉(300g)に卵(1個)、パン粉(大さじ4)、塩コショウをちょっぴり加えてよく練って、刻んだ大葉をたっぷり混ぜ、丸い小判型にしてフライパンでしっかり焼きます。そして、最後に酒(大さじ1)、砂糖(大さじ1/2)、みりん(大さじ4)、醤油(大さじ2)を加えて時々ひっくり返しながら煮詰めるだけ。なお、タネは卵白だけで作り、卵黄は食べる時に絡めるようにしても美味しくいただけます。
今回は、残り物のシメジとシイタケも刻んで加えてみたら、あまりキノコ類を食べない息子もペロリと食べていましたよ。
その後、大葉とバジルは消費しきれないほど育ち続けています。ですので、ピザパーティを毎週開催したり、ママ友にもおすそ分けするなど大活躍です!
よくスーパーで買う豆苗。再利用できるのは知っていたのですが、これを機会に重い腰を上げて(大げさな…)チャレンジすることに。
種から少し離れたところをカットして、タッパーに入れて水を入れます。そして、一日1~2回水を入れかえながら室内の日当たりの良い場所で育てるだけ。水の量は、種に水がかかるかかからないかぐらいが良いようです。
すると数日でグングンと驚くぐらい伸びます。息子も伸びていく様子が楽しかったようで毎日観察していました。
結局、7日目に収穫することに。慣れない手つきでしたがハサミを使って一生懸命切ってくれました。
収穫した豆苗はプチトマトとともに冷しゃぶにしました。
●豆苗とプチトマトの冷しゃぶ
沸騰したお湯に酒少々を加え、豚肉を約3分茹でて氷水にとって冷やしてから水気を切ります。醤油(大さじ2)、みりん(大さじ1)、酢・酒(各小さじ1)、砂糖(大さじ1/2)を混ぜてタレを作ります。豚肉に豆苗とプチトマトを乗せ、タレをかけて、最後に炒りゴマをパラパラと。豆苗の雑菌が気になる方はサッと茹でてくださいね。タレは市販のドレッシングやポン酢を使っても。
子どもは自分で収穫したのもあってか嬉しそうにパクパク食べていましたよ。豆苗は、骨の形成を助けるビタミンKをはじめ抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンC、赤血球の生成を促すヨウ素など様々な栄養素をバランスよく含んでいますので、子どもにも積極的に食べさせたいですね。
豆苗は2回の再収穫ののち、茎がヒョロヒョロになってきたので終了しました。
ちなみに、ブロッコリースプラウトでも同様の手順で試してみましたが、残念ながら上手く育ちませんでしたので、後編では種まきから再チャレンジしています!
ここで、子どもの野菜嫌いをなくしたいお母さんやお父さんに、そのポイントをお伝えします。
今ではスーパーで年中野菜が売られており、「どの季節に何が育つのか」が実感しにくくなっています。また、身近に農家や畑がないと手間暇をかけて作物が育てられていることにも気づきません。
そこでオススメしたいのが【家庭菜園】です。野菜がどのようにできるのか、どんな世話をして育つのか、その過程を身近に観察していくことで、ようやく実をつけた野菜や、毎日すくすくと育った野菜が子どもには特別な野菜に見えるはず。「無駄にしたくない」「大切に食べてあげよう」という気持ちも芽生えて、苦手だった野菜を口に運べるかもしれません。
また万が一、栽培に失敗しても野菜は簡単にできないことを教えることも大切だと思います。
他にも、レジャーとして【体験農園】へ出かけるのも良いですね。さつま芋掘りやとうもろこしの収穫、しいたけ狩りなどは、比較的小さなお子さんでも一緒に体験しやすいですよ。その場で食べられる施設もありますし、収穫した野菜などを持ち帰って一緒にお料理してみるのも特別な体験になるのではないでしょうか。
野菜作りでは、植物を育てる喜びや達成感を味わえるのはもちろん、土や緑に触れることで心も癒されますし、水やりなどが毎日のルーティーンとなり、生活のリズムもできやすくなるというメリットもあります。
また、種まきや植え付け、手入れや収穫、調理などがそれぞれ家族のイベントとなり、子どもにとっては新しい経験や発見の連続となり親子で楽しい時間を共有できるはず。日々のお世話でも子どもにできる作業はたくさんあるので、年齢に合わせて任せてみてはいかがでしょうか。
野菜作りの大きな喜びは「収穫」と「料理」ですよね。大切に育てた野菜を収穫する時のわくわく感。そして、採れたての新鮮な野菜を使ってどんなメニューにしようかなと考え、一緒に料理をして「美味しいね」と笑顔でいただく料理は格別だと思います。
後編では、種からを育てたスプラウト栽培の様子や、野菜の切れ端を使った「リボベジ(再生野菜)」の方法などを紹介します。引き続きご覧ください!