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意外と多い、夏の食べられる野草・雑草

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

意外と多い、夏の食べられる野草・雑草

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Moglab編集部 取材スタッフ

夏は、庭や畑で雑草がぐんぐん伸びる季節ですね。雑草は刈り取っても抜いても、いつの間にかまた生えてきます。生命力が強いため「雑草のようにたくましい」という表現があるほどです。

雑草は望まない場所にも生えてくるため、邪魔もの扱いされがちですが、実は食べられる種類があることをご存じでしょうか。

今回は、夏に食べられる雑草の中から、日本各地でよく見かけるものや、食べやすいものを4種類ご紹介します。

■ツユクサ

青い花が可愛らしいツユクサは、苦みやクセが少なく食べやすい雑草です。開花前の若葉は柔らかく、生のままサラダに使うことができます。葉や茎は和えものや炒めもの、酢のもの、天ぷらなど、さまざまな料理に活用できます。開花期は6〜9月で、日本各地で見られます。

■カタバミ

カタバミは、クローバーに似た葉と黄色い花が特徴の雑草で、旬は5〜10月頃です。葉、花、茎を食べることができ、特に葉と花は生のまま食べられます。サラダに加えると、ハーブのような香りとほどよい酸味を楽しめます。

■ツルナ

海岸の砂地などに生えるツルナ(ハマチシャ)は、ほうれん草に似ていることから「海岸に生えるほうれん草」とも呼ばれています。少量ですがシュウ酸を含んでいるため、調理前にさっと下茹でするのがポイント。下茹でしたツルナは、炒めものやおひたし、味噌汁の具、パスタなどに活用でき、旬の5〜10月には特に美味しく味わえます。

■スベリヒユ

夏に食べられる代表的な雑草のひとつが「スベリヒユ」。7〜9月頃に、日当たりのいい道ばたや畑に生える1年草で、ツヤのある葉が特徴です。名前の由来は、葉や茎に滑るような光沢があるからという説と、道に捨てられたものを踏むと足が滑るからという説があります。

スベリヒユは、山形県で「ひょう」と呼ばれる地域食材です。茹でると粘りが出て、独特の酸味を楽しめるので、夏にはおひたしや辛子和え、酢味噌和えとして食べられることが多いそうです。

夏に採れた「ひょう」は、沸騰したお湯にくぐらせて天日干しし、「ひょう干し」という保存食として活用されます。

ひょう干しは、茹でたときとは異なる風味と軽い歯ごたえが楽しめます。調理の際は、お湯で煮て柔らかく戻し、おひたしやくるみ和え、ごま和え、七草粥などに使われます。山形では、お正月料理に欠かせない「ひょう干しの煮物」があり、「ひょっ(ひょう)として良いことがありますように」という無病息災の願いを込めた縁起食として親しまれています。

スベリヒユは日本だけでなく、ヨーロッパや中東、アジアでも食用とされています。海外のレシピでは、カッテージチーズやオリーブオイルと合わせたり、スープやカレーに使ったりと、さまざまな楽しみ方が紹介されています。

スベリヒユは生でも食べられますが、シュウ酸を含んでいるので多食は禁物です。もりもり食べるなら、必ず茹でてから調理してくださいね。