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信州林檎物語③ 「よこや農園(後編)」 林檎にまつわる“得意”を生かした仕事

HYAKUSHO MAG

農家さんのSTORYを届けるWEBマガジン

信州林檎物語③ 「よこや農園(後編)」 林檎にまつわる“得意”を生かした仕事

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食卓を彩る、りんご。ひとかじりすれば、甘酸っぱくて甘い、ジューシーなおいしさが、口いっぱいに広がります。そんな、おいしさを生み出しているのは、ほかならぬ「りんご農家さん」。そんな農家さんの思いや、農業に対する哲学に、耳を傾けてみませんか?

りんごを愛して奮闘する、りんご農家さんのインタビューをお伝えしていきます。
きっと、りんごの見え方や味わいが、昨日とは変わるはず。

ご紹介する農家さんは、長野県中部の松本市街地近くの山間部で「よこや農園」を運営する川邊謙介(かわべけんすけ)さん・明日香さん夫妻です。東京で過ごしていましたが移住し、2016年から明日香さんのお祖父さまの、りんご農園を継承しています。

今回はよこや農園の「りんごにまつわる、得意を活かした仕事」に迫ります。

インスタグラムで伝わる、よこや農園の物語

よこや農園では、SNSを活用。​​農園からのお知らせや風景、日常で感じたことなどを発信します。媒体は公式HPのほかフェイスブック、インスタグラムなどです。特にインスタグラムでは、写真に明日香さんが得意なイラストを描き、農園の日常を発信。よこや農園を知ってもらうきっかけとして大きな役割を担っています。

明日香さん「りんごの魅力や、仕事の雰囲気が伝わればと思っています。写真にイラストを描いて、複数枚投稿して絵日記のようにしています。最近ではイラストを描いた動画も投稿していますよ。
最初は趣味で投稿していたのですが、だんだんと趣味の範囲を超えるくらいに、このインスタグラムを通じて農園を知ってもらえるという結果がでています。好きな作業ではあるんですけど時間がかかるので、これからも続けるためには、仕事として習慣化しないといけないと思っています。」

作業の大変さはあれど、投稿を楽しみにしているファンは多いので、期待に応えたいと話します。投稿を見て、県外から足を運ぶお客さんもいるのだそう。

明日香さん「誰かの楽しみになっているのは、ありがたいことですね。」

インスタグラムで、よこや農園の世界観が伝わってきます。

お互いの得意が活かされる

りんご農家の仕事は、さまざま。りんご栽培における業務以外にも、いろんな仕事があり、すべて自分たちで管理しています。

謙介さんは、重機の免許を取得して操作するほか、栽培用の支柱なども自ら設置。太陽光を電源とする無人直売所や、監視カメラもお手製です。そのほか公式サイトや、注文・請求書システムも作りました。

明日香さん「農家って、まさに百の姓を名乗ると言われるぐらい、いろんなことをやるじゃないですか。彼はまさにそれ。チェックリストを頭の中に作って、埋めていける作業が楽しいみたい。」

謙介さん「好きなんですよ、全部やりたいんです。なので、新しいことをどんどんできる農家は楽しいですね。注文・請求書システムにおいては、前職のシステムエンジニアでのコーディングの知識を、今は自分事として活かせています。」

現在、農園の畑の面積を増やしている最中。増えていくにつれて作業が大変となるので、新しい農機具の情報も調べて、さらなる機械化も検討中です。設備投資の判断も、健介さんの仕事です。

明日香さん「私が苦手なのは、細かい事務作業や、農機具などの機械全般にまつわる作業。だから、代わりに手を付けてくれて、頼りになりますね。一方で、彼は人と話すのが苦手。だから広報は私が中心にやっています。
それぞれ得意なことを担当して、手伝ってくれているスタッフを含めて、無理なく楽しく、そしてりんごを支持してもらえる農業を実現したいですね。」

お互いの得意が活かされることで、お互いに補いながら、環境が整っていきます。

 

信州林檎物語① 「よこや農園(前編)」 林檎農家の心地よさ
信州林檎物語② 「よこや農園(中編)」 林檎を軸にした活動