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8月9日は「ハンバーグの日」。洋食の代表格・ハンバーグを、日本人は縄文時代に食べていた!?

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

8月9日は「ハンバーグの日」。洋食の代表格・ハンバーグを、日本人は縄文時代に食べていた!?

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

8月9日は「ハンバーグの日」。「ハ(8)ンバーグ(9)」の語呂合わせから、冷凍食品の製造・販売を手掛ける「株式会社 味のちぬや」が記念日に制定しました。

ハンバーグは大人から子どもまでみんなが大好きなメニューですよね。「好きな食べ物ランキング」では、どの世代でも上位に入っているイメージです。ちなみに、総務省が公表した、世帯あたりの家計調査(2021〜2023年平均)によると、調理済みハンバーグの購入額は1位が那覇市で2,545円、2位が浜松市で2,381円、3位が福島市で2,220円でした。47位が松山市で987円なので、居住地により大きく違いがあることがわかります。

ハンバーグの原型は、生肉のタルタルステーキ

ハンバーグの起源は諸説ありますが、もっともポピュラーなのは、モンゴル帝国のタルタルステーキが原型という説です。騎馬遊牧民族であったタタール人は遠征の際、乗りつぶした馬を食糧にしていました。彼らは、筋肉がついた固い馬肉を食べやすくするため、馬の鞍の下に肉を置き、人間の体重で加圧して柔らかくしたそうです。そして肉を細かく切り、玉ねぎやコショウなどのスパイスで臭みを消したものを生で食べていました。

13世紀ごろ、タタール人がヨーロッパに侵攻した際、その生肉料理はタタール人の名前からタルタルステーキと呼ばれるようになります。16世紀になると、ドイツの都市・ハンブルグにタルタルステーキが伝わり、これを焼いて食べる料理が生まれます。(18世紀という説もあります)。

そして18〜20世紀、ハンブルグの人たちがアメリカに移住するようになります。アメリカ人は、彼らが食べている、焼いたタルタルステーキをハンブルグ風ステーキ=ハンバーグステーキと名付けました。ハンバーグは別の土地に伝わるたびに名前が変化していったのです。

ちなみに、アメリカではハンバーグをそれだけで食べることはほとんどありません。主流なのは、パンにはさんで食べるハンバーガーです。野菜やつなぎがはいった日本式のハンバーグは、アメリカではミートローフが近いようです。

縄文時代の遺跡からハンバーグの原型が見つかっている!?

日本では、なんと縄文時代の遺跡からハンバーグの原型のようなものが出土しています。長野県大町市にある、約6000年前の大崎遺跡からはシカやイノシシの肉を潰し、穀類や卵を混ぜ合わせて焼き上げたものの小さな炭化物が見つかっています。

また、約5500年前の山形県・押出(おんだし)遺跡では、表面に渦巻き状に型押しされたクッキー状の炭化物が発見されました。分析したところ、粉状にしたクリとクルミに野鳥の卵や獣の血を合わせてこね、シカやイノシシの肉を細かく刻んだものを混ぜて発酵させ、焼いたものだったそうです。

縄文時代の人たちが、刻んだ肉を使用し、平べったい形状に成形して焼いて食べていたということを推測すると、ハンバーグの原型であったと考えてもよいのではないでしょうか。

日本で初めて紹介されたハンバーグは、揚げ焼きしたメンチカツ!?

ハンバーグが欧米から日本に伝わった時期は、正確にはわかっていません。しかし、1859(安政6)年に横浜港が開港した時にさまざまな食べ物が伝えられたため、ハンバーグも同じ時期に日本に伝わったと考えられています。

ハンバーグが日本で初めて公に紹介されたのは1882(明治15)年です。日本最古の料理学校・赤堀割烹教場(現・赤堀料理学園)の開校記念の式典でふるまわれました。材料は、牛ひき肉百匁(約375グラム)、小さな玉ねぎ1個、卵1個、バター少々、食塩少々、胡椒粉少々、パン粉少々です。調理法を見ると、牛肉は、包丁の背で叩く、溶かしたバターを入れる、つなぎを使わずにこねる、パン粉をまぶして揚げ焼きすると書かれており、現在の一般的なレシピとは異なっていたことがわかります。ハンバーグは皿に乗せたあと、上にトマトソースをかけて提供されました。どちらかというと、トマトソースをかけたメンチカツに近いものだったのかもしれません。

ハンバーグが、家庭料理として食べられるようになったのは1950年代ごろからです。ひき肉は傷みやすく取り扱いが難しい食材ですが、冷蔵技術の発達により家庭でも調理ができるようになりました。

現在は豆腐ハンバーグやロコモコ、ハンバーググラタンなどのアレンジ料理も一般的になりました。ソースもデミグラスやケチャップ系のほか、おろしポン酢、照り焼きといった和風テイストなどさまざまなバリエーションで楽しむことができます。

8月9日「ハンバーグの日」は、時代や国によって変化してきたハンバーグの歴史に思いを馳せながら、レストランや家庭でお好きなハンバーグを食べてみてくださいね。