毎月22日はショートケーキの日。カレンダーを見れば22日の上に15日がのっている、 つまり1(いち)5(ご)がのっている日を「ショートケーキの日」と呼ぶようになったそうです。
ちなみに「いちごの日」は1月15日(いいいちごの語呂合わせ)、1月5日も「いちごの日」と呼ばれていますが、この日は果物のいちごは関係なく「15(いちご)」歳の受験生にエールをおくる日だそうです。何だかまぎらわしいですね…。今回は、そんないちごの「まぎらわしい」話をさせていただきます。
ショートケーキのシンボル、甘酸っぱい真っ赤な「果実」は、実は偽物です。偽物の果実なので「偽果(ぎか)」と呼ばれています。
果実でなければ、あの赤い部分はいったい何なのでしょうか?
それは「花托」という花の付け根部分、つまり「茎」が発達したもの。そして、本当の果実は「種」だと思われている黄色い“ つぶつぶ ”なのでした。
偽果の果物は他にもあり、イチジクやリンゴ、梨も「花托」が発達して可食部になったものです。生物学的に言うと「果実」は、受粉しためしべの「子房(めしべの下部)」が発達したものを指し、これを「偽果」に対して「真果」といいます。ミカンやモモ、柿がその仲間です。
ショートケーキの上に鎮座なされている真っ赤ないちごは、ツンと先のとがった美しい三角形のフォルムをしています。家庭菜園では、このように整ったカタチのいちごを作ることは難しく、いびつになりがちです。カタチが多少いびつな方が、より自然なように思いますが、実は美しい三角形のフォルムをつくることこそ、自然界の大いなる力が作用しているのです。
果実が実るには受粉が必要です。いちごの果実は先ほども述べたように、あの黄色い“ つぶつぶ ”で、このひとつひとつのめしべを均等に受粉させることが、キレイなカタチのいちごを作る秘訣です。
そこで活躍するのがミツバチです。ご存知のとおりミツバチは蜜をもとめて、花から花へと飛び回りますが、花の上ではくるくると回る習性があります。この動作がいちごのめしべをまんべんなく受粉させ、あの美しい三角形のフォルムをつくるのです。
なので、いちご農家にとってミツバチは大切なパートナー。人間の力だけでは及ばない自然の原理への理解こそ、重要なのですね!
ショートケーキには欠かせない、まぎらわしくて、美しい、いちごのお話でした。