vol.1で、女性は慢性的に不足しがちなたんぱく質を補ってくれる頼れる存在がプロテイン、ということを学んだMog-lab編集部スタッフ(以下、編集部)。今回では前回に続き、青木達さんと酒井崇宏さん、2名のS&Cコーチにプロテインの効能や飲み方、選ぶポイントを教えていただきます。
編集部:お気づきとは思いますが、実はプロテインを飲んだ事がなくて…。
青木コーチ:ぜひ、飲んでいただきたいです!
編集部:私も含め、プロテインは「太る」というイメージを持っている人も少なくないと思います。実際に「太る」というキーワードと一緒に検索されている方も多いようで。
青木コーチ:逆にプロテインで太るっていうのが、よく分からないなぁ。
酒井コーチ:マッチョなイメージがあるので、そこから連想されるのかな。もちろんカロリーはあるので、取り過ぎると太る要因にはなりますけど。
編集部:なるほど。でも、ただ飲んでいるだけではダメなんですよね。
青木コーチ:そうですね。筋肉を作るためにはトレーニングもしないと。ただ、運動しない人もたんぱく質をとるためにも飲んだ方がいいと思います。
編集部:なんにしろ、飲んだ方がいいと。
酒井コーチ:そうです。体は分解と合成のバランスで成り立っているんですけど、分解に傾いている時にプロテインを飲んであげると合成に傾くんです。
青木コーチ:簡単に言うと、筋肉をつぶすのが分解で、合成は筋肉を作る作用ですね。僕が朝起きて一番にプロテインを飲む理由は、分解に傾いている体を合成に傾けて、筋肉を破壊する作業を止めるため。
酒井コーチ:先ほども話しましたが、体は栄養分という燃料がなくなっていくと、筋肉を分解して燃料を作ろうとするんです。なので、そのタイミングで燃料を補充してあげると分解が止まる。
編集部:と、いうことは…。空腹時に飲むといいということですか?
酒井コーチ:いいですね〜!間食するか?プロテインを飲むか?で、違う結果が出るかもしれません。
青木コーチ:コンビニでケーキを買うか、プロテイン入りのヨーグルトを買うか。
編集部:デキる子は…。
青木コーチ:プロテイン!今は種類もいっぱいありますし。
編集部:昔は一部の人が飲んでいるイメージでしたが、今は飲まれている方も多いんですよね?
青木コーチ:昔は美味しくなかったけど、今は美味しくなったのでね。
酒井コーチ:ほんと、美味しいですよ。
編集部:ちなみにお気に入りの味は?
酒井コーチ:僕、杏仁豆腐。
編集部:杏仁豆腐…!
酒井コーチ:なので、もうコンビニで杏仁豆腐を買おうと思わなくなりました。
青木コーチ:僕は味にこだわりはなくて。というのも、昔の美味しくないプロテインを知ってるんでね。でも新しい味は試してみたいので、サイトを見ながら探したり。
編集部:変わった味とかもあるんですか?
酒井コーチ:甘酒味とか。
青木コーチ:あと、最近、気になっているのがクリームソーダ味。しかも微炭酸って書いてあって、これは飲んでみたいなと。
酒井コーチ:他にも色々ありますよ。ブルーベリーチーズケーキ味とか。
青木コーチ:あとはミルクティー味も美味しかったなぁ。
編集部:言葉だけ聞いているとスイーツの話みたいですね(笑)。だから、置き換えたらいいんですよね。例えばミルクティーが好きな人は、その味のプロテインをチョイスして飲む。
酒井コーチ:そうそう。
編集部:先ほど、貧血の改善の効果が期待できるという話がありましたが、女性にとっての利点をほかにあげると、例えば、髪が美しくなるとか。
青木コーチ:髪もそうですね、あとは肌や爪。どちらもたんぱく質でできているので。個人差があるのでなんとも言えないですけど、肌の調子はよくなると思います。
編集部:もしや、ターンオーバーをうながす効果もあったり?
酒井コーチ:代謝ですね。それはどうだろう〜。
青木コーチ:でもね、髪の毛や爪が伸びるスピードは早くなりますよ。僕はプロテインをとっている時とそうじゃない時、違うと思いますね。あと貧血の人ってすぐに爪が割れちゃうんですけど、その点はプロテインをとっていればいいんじゃないかな。
編集部:丈夫になるということですかね。だったら、ネイルしている人は積極的に飲むとよさそう。
青木コーチ:僕はネイルサロンにこそプロテインを置くべきだとさえ思いますね。今すぐ営業に行くべきだと(笑)。
編集部:プロテインは料理に使ってもいいんでしょうか。
酒井コーチ:もちろん。おすすめはパンケーキ。混ぜても味は変わらないですし、バナナ味を加えるとフレーバーにもなって。
編集部:コーヒーに入れても?
青木コーチ:やったことありますけど、ちょっとどろっとするかな。
酒井コーチ:あとはスムージーとか。冷凍バナナと牛乳とプロテインで。某ジムで提供しているんですけど、めちゃめちゃ美味しい。
編集部:逆に、そのままでもいいんですか?粉だけ。
青木コーチ:そのまま口に含んで、口のなかでシェイクする飲み方は、ビルダー飲みと言ってます。ビルダーの方は普通ですけど、ちょっと玄人過ぎるかも(笑)。シェイカーは100均にもあるんで、それを購入したらいいと思います。
編集部:おしゃれなタンブラーにプロテインだけ入れて、オフィスに着いてからシェイクして飲んでもいいですよね。コーヒーと見せかけて、中身はプロテイン。
酒井コーチ:調理の必要がないのもプロテインのいいところだと思います。
青木コーチ:洗い物もシェイカーだけですしね。だから、出先でも気軽に飲める。
編集部:お二人はホエイプロテインを飲まれているそうですが、どのような特徴があるんですか?
青木コーチ:吸収が一番早いということですね。僕が寝る前に飲んでいるカゼインプロテインはその逆で吸収がゆるやか。
酒井コーチ:なので、トレーニングの後には吸収が早いホエイを飲みます。
青木コーチ:選手も基本はホエイしか飲まないですね。
編集部:値段の相場は?
青木コーチ:値段はピンキリなんですよ。いま飲んでいるプロテインは1キロで2,300円ぐらい。
酒井コーチ:僕が飲んでいるのは1,800円ぐらいです。
編集部:1キロで一ヶ月分。
青木コーチ:そうですね。酒井コーチが飲んでいるのはシンプルにたんぱく質のみ。僕がいま飲んでいるのは、ビタミンも一緒にとれるものです。
選手には純粋なプロテインだけのものを薦めていますね。
編集部:では、一般の女性には?
青木コーチ:こういうビタミン入りをお薦めします。ドラッグストアやスポーツショップで購入できますよ。用途が細かく分かれているので、それに合わせて選ぶといいと思います。
編集部:ここ数年は大手の菓子メーカーもプロテインに力を入れていますよね。
酒井コーチ:最近はパーソナルジムがオリジナルで作ったりするものもあります。
青木コーチ:成分を組み合わせて、さまざまな種類のものが作られているみたいですね。
編集部:龍谷大オリジナルのプロテインを作ることも…。
青木コーチ:それ、いいかも。
酒井コーチ:龍谷大プロテイン、いいですね。でもね、コスパがいいのが一番。遠慮なく飲めるのが一番です。
編集部:ケチったらダメだと。
青木コーチ:プロテインはね、絶対にケチったらダメです!!!
編集部:(笑)。となると、コスパは大事ですね。飲む期間なんですが、例えば、一ヶ月だけとかは効果はないのでしょうか。
青木コーチ:毎日、飲んだ方がいいですね。
酒井コーチ:栄養なので。トレーニングのブームも手伝って、たんぱく質を意識した商品も増えていますし、それを取り入れてもいいと思います。どうしてもマッチョなイメージがあるので、抵抗ある方もいるとは思いますが。
編集部:そうですよね。別にムキムキになりたいわけではないから…。
酒井コーチ:だから、筋肉という言葉を使わないで、朝食の代わりに、とか、間食の代わりに、とか。
編集部:そう言われると飲んでみたくなるかも。
青木コーチ:柔道部の女子のなかには、体づくりのプログラムを変更すると言ったら、「まだプロテイン届いてないのに〜」って。新しい刺激が加わると筋肉痛になりますからね。
編集部:筋肉痛にも効くんですか?
青木コーチ:普段から運動をしていない人にはあまり効果はないかもしれませんが、普段からしている人には効果があると思いますね。感覚的なものですけど。
編集部:ちなみに、プロテインは年齢問わず飲んでもいいのでしょうか。成人してからの方がいいとか。
青木コーチ:子供の頃から大丈夫ですよ。逆に、積極的にとって欲しいのが高齢者ですね。食が細くなって必要なたんぱく質を摂取できなくなるので。それに筋肉も弱くなるので、プロテインを飲んでトレーニングしたら長生きできる。これは間違いないです。
編集部:健康寿命を延ばすためにも。
酒井コーチ:そうです。それも早い段階からとった方がいいですね。プロテインをとることで体にいい変化があったら、普段の食生活も意識してみようかなという機会になりますし。
青木コーチ:なので、やはりトレーニングと一緒に取り入れて欲しいですね。見た目で言うと、姿勢が良くなって立ち姿勢も変わる。僕はトレーニングしている人を見たらすぐに分かりますね。
酒井コーチ:凛としている方が多いなと思います。
青木コーチ:朝のトレーニングは一日の代謝がよくなるので、特に冬はトレーニングをすると一日寒さ知らずで過ごせますよ。
酒井コーチ:それに、たんぱく質って熱を生み出す作用があるので、体も温まってね。
編集部:では、冷え性の方にもいいですね。
酒井コーチ:そうですね。たんぱく質は一般的にそのような作用があると言われています。
青木コーチ:飲むタイミングはトレーニングの前でも後でも。でもやっぱり筋肉の“ご褒美”なんでね(笑)。トレーニング後に美味しく飲むのがおススメです。
撮影/伊藤 信 取材・文/吉田 志帆