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EAT&DRINK 2021.08.02 石原 かんな

【がんばり過ぎない食育】スーパードリンク「緑茶」を飲もう!

暑い夏、「緑茶」で元気に乗り切りませんか?

ペットボトルの普及などによってあまり飲まれなくなった"茶葉"の「緑茶」。実は茶葉には多くの栄養素やうまみ成分が含まれており、健康長寿の秘訣とも言われています。

そこで今回は、緑茶の基礎知識やその効能、夏にぴったりの冷茶の淹れ方などをご紹介。

子どもたちが水筒で持っていくことが多い麦茶との違いや、「子どもにはいつから緑茶を飲ませてもいい?」「古くなった茶葉の活用方法は?」「お茶の保存方法って?」などの素朴な疑問もまとめて解決します。

健康や美容にぴったり!緑茶の“効能”

「緑茶がカラダに良い」とは聞くけれど、実際には何がどう効くのでしょうか。

代表的なものでは、緑茶に多く含まれる「カテキン」の効果があります。カテキンはポリフェノールの一種で、血圧や血糖値の抑制、抗菌、抗ウイルスなどさまざまな効果があるとされています。
また近年注目されているのが、お茶のうまみ成分である「テアニン」です。テアニンにはリラックス作用があり、ストレス緩和や睡眠の質を改善する効果なども期待できると言われています。
他にも緑茶に多く含まれる「ビタミンC」は肌のターンオーバーを促進してくれるとか。

最近では、市販されている3種類のお茶を新型コロナウイルスに接触させると高い不活性化効果が見られた種類があったという研究結果も発表されているなど、緑茶は大変注目されています。抗アレルギー性作用を持つ緑茶も開発され、花粉症にも効果を発揮しているなど緑茶のパワーは計り知れません。

煎茶が代表!緑茶の“種類”

「お茶」は「緑茶」、「紅茶」、「烏龍茶(ウーロン茶)」の3つに大きく分けられます。
そのなかで「緑茶」は“緑色のお茶”というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、発酵度0%のお茶が「緑茶」に分類されるため、実際には緑色ではないものも含まれます。

まずは、以下に代表的な緑茶を紹介します。

■煎茶
緑茶のなかで最も飲まれており、日本人にとって親しみのあるお茶。甘みやうまみ、渋み、苦みをバランスよく味わえるのが特徴で、淹れ方によってさまざまな風味を楽しめます。
カフェインやタンニン(カテキン)が多く含まれ、ビタミンCも豊富。蒸し時間が2~3倍程長い「深蒸し煎茶」などもあります。

■玉露
日本茶のなかで最高級と言われるお茶。茶園に覆いをかけて直射日光を遮って栽培され、原料になる茶葉は新芽の一番茶のみ。主に手摘みで収穫されます。
まろやかで濃厚な甘みとうまみがあり、ストレス軽減やリラックス効果もある「テアニン」も豊富に含まれているため、お客様へのおもてなしにもぴったりです。

■番茶
「番外の茶」という意味で「番茶」と名づけられた説や、遅く摘みとったという意味で「晩茶」から転じたとも言われます。一般的には新芽や若葉ではなく、成長した葉を使って作られるお茶全般のことを指します。
お茶の色は必ずしも茶色ではなく、煎茶と同じような製法で作られた緑色の番茶もあります。

■ほうじ茶
煎茶や番茶、茎茶などをキツネ色になるまで強火で炒って香ばしさを引き出したお茶のこと。煎茶や番茶の仕上げ加工の段階で選別した形の大きい葉や茎を混ぜ合わせ、炒ったものも含まれます。
炒ることでカフェインが昇華し、香ばしさとすっきりとした味わいが楽しめます。

■玄米茶
水に浸して蒸した米を炒り、番茶や煎茶などをほぼ同量の割合で加えたお茶のこと。
炒った米の香ばしさとお茶の味わいの調和が楽しめ、食物繊維やビタミン、ミネラルも摂取できるため注目されています。カフェインが少なく、お子さまやお年寄りの方にもオススメです。

■抹茶
茶葉を蒸して乾燥させ、茎や葉脈を取り除いたものを石臼などで挽いてパウダー状にしたもの。茶葉を揉まずにそのまま精製するため、覚醒作用のある「カフェイン」や集中力を高める「テアニン」など、風味や栄養を余すことなくいただけるのが大きな特徴です。
京都の宇治抹茶が有名で、スイーツなど食品の素材としても広く使われています。

ポイントをおさえよう!緑茶の“淹れ方”

お茶の種類に合った最適な方法で緑茶を美味しく淹れることができます。ポイントは以下の4つ。
・お湯の量 ・お湯の温度 ・茶葉の量 ・浸出時間

代表的な煎茶の淹れ方を紹介します。
1. 人数分の湯飲みにお湯(約90℃)を8分目程入れて冷まします。1人分90mlが目安。

2. お茶の葉を急須に入れます。(3人で約6~9g)

※ティースプーン1杯が約2gで、写真は約6g

3. 80℃くらいに湯冷まししたお湯を急須へ。1分間、心静かに待ちます。

4. 味が均等になるように、湯のみに少しずつ注ぎ回します。最後の一滴まで注ぎきるのが重要!

※二煎目の場合は、お湯を入れて10秒くらい待ちます。

煎茶と異なり、玉露は60℃程の低温でじっくりと(約2分)浸出し、うまみを引き出します。
番茶やほうじ茶、玄米茶は高温で淹れても渋みは強く出ません。熱湯で香りを出しながら、約30秒の短時間で淹れるのがコツです。

夏に飲みたい!「冷茶」の作り方

冷茶の淹れ方は大きく分けて3通りあります。お気に入りの透明グラスを使えば、より涼し気に!
我が家の子どもも、毎日ゴクゴク飲んでいますよ。

■方法1:お湯+急須
お湯を使う場合は急須に通常の1.5倍ぐらいの茶葉を入れます。お湯を注いで1分程待った後、氷の入ったグラスに注ぎます。爽やかな渋みと苦みがあり、お客様にお出しするのにもオススメです。

■方法2:水+急須
水を使う場合は2つの方法が。急須を使う方法では、通常の量の茶葉を入れて水(冷水)を入れ、5~10分程待った後に淹れます。うまみが凝縮された味を楽しめるため、ゆったりとしたい時に。

■方法3:水+ボトル
水を使ってボトルを使って一度にたくさん作る方法。約1リットルのボトルに10~15グラムの茶葉と水をたっぷり入れ、冷蔵庫で4~6時間冷やします。水分補給にもよく、子どもでも飲みやすい爽やかな味になりますよ。

◆お茶の“保存方法”って?

お茶は温度や光、酸素によって変質しやすくデリケートなので、臭いが少なく温度変化の少ない場所での常温保存を。茶筒のような密閉できる容器または袋に入れて保存しましょう。

長期保存をする場合は冷凍庫へ。茶缶に入れて食品保存袋に入れたり、袋のまま食品保存容器に入れるなど、臭いがつかないように気をつけましょう。開封する際は常温に戻してから使います。
なお、冷蔵庫での保存は他の食品の臭いが移りやすく、出し入れで温度変化も生じやすいので適していません。

◆古くなった茶葉を活用する方法は?

ついつい置きっぱなしで古くなってしまった茶葉。でも捨てるのはもったいない!さまざま活用方法を紹介します。

まずは、キッチンペーパーをしいたフライパンで軽く炒ればほうじ茶に。弱火で数分、香ばしい香りが出てきたら完成です。

お茶をうがい薬として活用する方法も。もともとは薬として伝えられてきたお茶は抗菌作用に優れています。慣れている緑茶でのうがいなら、お子さんでも抵抗なくできるかも?この時は少し濃い目に出しましょう。

出がらしの茶葉をガーゼなどの布でくるんでお風呂に入れれば緑茶風呂に。お茶に含まれるビタミンCがお肌に良い効果を導いてくれるかも!?
お茶の良い香りでリラックス効果も期待できますし、私はお茶パックに入れて試してみました。

◆子どもにはいつから緑茶を飲ませてもいい?

子どもに緑茶を飲ませられる時期は明確には決まっていません。離乳食が完了した1歳台や2歳頃からなら問題ないでしょう。

前述の通り、抗菌や抗ウイルス作用などがある緑茶に子どもの頃から親しむのは良いことです。しかし、緑茶には独特の風味があり、舌が敏感な子どもの時期は緑茶を苦手に感じるお子さんもいらっしゃるかもしれません。淹れた緑茶を薄めてあげるなど、少しずつ緑茶に慣れていくのがおすすめです。

お茶請けに和菓子を用意すれば、お茶に渋味や苦みを感じても和菓子を一緒に食べることで軽減できますし、和菓子のさまざまな種類から季節の移り変わりを感じられます。例えば夏の訪れを告げる「若鮎」や、6月30日にいただく「水無月」、端午の節句の「柏餅」や「粽(ちまき)」などは私の子どもも大好きです。
春夏秋冬を感じられるモチーフの「干菓子」や、時には「ねりきり」などの上生菓子なども取り入れると、お子さんとの会話が広がりそうですね。

◆緑茶と「麦茶」の違いって?

お子さんがいらっしゃる方の多くは、毎朝麦茶を水筒に入れ、学校や幼稚園、保育園などに持たせていますよね。

麦茶は大麦の種子を煎じて作られており、茶葉は使用していないものです。その昔は戦国武将や江戸自体の町人が親しんでいたと言われていますが、冷蔵庫が普及した昭和30年代に冷やして飲む習慣ができたようです。
麦茶には茶葉由来のカフェインや苦み成分のタンニンが含まれておらずノンカフェインなので不眠気味の方や妊婦さん、赤ちゃんにもぴったり!ミネラルを含み、熱中症予防にも最適です。

◆お寿司屋さんなどにあるお茶も緑茶?

お寿司屋さんなどで見かける粉末のお茶がありますよね。
お湯や水に溶かして飲むのは「粉末茶」と言われ、茶葉を粉末状にしたものです。
また、お茶パックなどに入れていただく「粉茶」は、煎茶を作る際に出た粉末状のもの。
ということで、あのお茶も緑茶です。気軽に飲めていいですね。

◆緑茶の産地である静岡県は寿命が長い!?

全国一の緑茶の産地である静岡県(昭和30年代から長らく全国1位を記録)の健康寿命の平均値(平成22年・平成25年・平成28年)は男女ともに全国2位!
また、「家計調査(都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額、購入数量及び平均価格、令和2年)」によると、緑茶の一世帯当たりの年間支出金額は9,191円、年間購入数量は2,323グラムで静岡市が日本一です。

つまり、全国一のお茶の産地で、日頃からお茶を飲んでいる人が多いことが“健康長寿県”の理由と考えられます。

子どもたちの未来の健康のためにも、緑茶を飲む習慣は大切にしていきたいものですね。

※参考
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-430/kenzou/kenkoujyumyou.html
https://www.pref.shizuoka.jp/j-no1/cha-rui.html

石原 かんな

いしはら かんな

ライター・食育インストラクター

京都育ち、大阪在住のフリーライター。少しお調子ものでマイペースな男児の母。人物取材、グルメやファッションの取材撮影、企業や学校関係など分野は問わず活動中。美味しいもの、人生を楽しむこと、一生懸命に生きるひとに興味津々。世界中でいちばんお気に入りの場所は、京都の「鴨川べり」。