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【がんばり過ぎない食育】応援しよう!子どもの包丁デビュー

石原 かんな

ライター・食育インストラクター

【がんばり過ぎない食育】応援しよう!子どもの包丁デビュー

石原 かんな

ライター・食育インストラクター

「包丁を使わせるのはちょっとこわい…」と思うお母さんやお父さんへ。

子どもが包丁に興味を持ちだしたら”包丁デビュー”のチャンス!最近では保育園などでも積極的に取り入れられているカリキュラムです。親としても、お子さんが包丁を上手に使えるようになってお手伝いの幅が広がったらうれしいですよね。

一方で、怪我が心配なところ…。そこで当記事では「包丁はいつから持たせてもいい?」「どんな包丁を使えば?」「どんな食材から始めたら?」などお母さんやお父さんが持つ疑問を解決します。

大らかな気持ちで、お子さんの包丁デビューを応援してくださいね。

Q. 包丁はいつから持たせてもいい?

いつから包丁を使えるのか決まりはありませんが、以下のことができるようになっているかが重要です。
□ 大人の話をしっかり聞いて守ることができるか
□ 危険なことが理解できるか
□ 手や指、腕がしっかり動かせるか

包丁に少し触れる程度であれば2歳頃からでもよいと思いますが、近所の保育園では4歳頃から始めていることも踏まえると、実際に“包丁を使う”という意味では3~5歳頃からがよいのではないでしょうか。
もちろん性格にもよると思います。親は焦りすぎず慎重になりすぎずにスタートしてみましょう!

Q. どんな包丁がオススメ?

□ 果物ナイフやペティナイフ
□ 子ども向きの包丁
子どもの手に合う「果物ナイフ」や「ペティナイフ」がオススメ。
もしくは、子ども向きの包丁も多く販売されているので“マイ包丁”をプレゼントするのもよいでしょう。「〇〇くんの包丁」「〇〇ちゃんの包丁」と名づければ大切にできそうですね。

筆者の子どもには、4歳の時点で子ども向けの『本格刃付け』包丁を贈りました。刃先とあご(刃元の角の部分)を丸めてあるため手を切りにくく安心です。

とあるメーカーの子ども用包丁には初級用に「丸刃」、中級用に「ギザ刃」、上級用に「本格刃付け」という3種類がありました。ただし、本格刃付けから始めるお子さんも多いようです。

Q. どんな食材から始めたらいい?

□ キュウリ
□ ソーセージ
□ バナナ など

硬すぎず、切ったらそのまま料理に使えるような食材から始めるのがオススメです。
包丁をそのまま下に落とすだけで切れるので基本的な感覚が身につくと同時に、そのまま料理に使うことにより「自分で切ったものがご飯(おやつ)になった!」という気持ちが生まれて自信へとつながります。
慣れてきたら少し硬い食材(ニンジンなど)や形の変わった食材(ピーマンなど)、薄いハムやベーコンなど様々なものに挑戦してみましょう。

Q. 切り方・扱い方をどう教えれば?

□ 親指と人差指で刃元の真ん中を握り、残った3本の指で包丁の柄を握る
□ 反対の手は指先を丸める“猫の手”で食材を軽く押さえる
□ 軽く握ってスーッと前に押すように切る《押し切り》
□ 刃先は自分に向けず、反対側に向ける
□ 包丁を使わないときの定位置を決める(刃は向こう側)

最初は上手くできなくても大丈夫。指を切らないようにだけ横についてあげれば安心です。実際には他の握り方や切り方もありますが、まずはひとつずつやってみましょう。

包丁は、まな板上部の外側か、まな板の上部に置くのが基本。刃は自分と反対側に向ける習慣をつけて安全性を高めます。

作業する台が高いようであれば安定した踏み台を使いましょう。おへそより下ぐらいの位置が力を入れやすいようです。筆者は子ども用の椅子を使用。

まな板がぐらぐらしないように、絞ったタオルを下に敷いておくと安全です。

Q. 声かけのポイントは?

では、どのように声をかけていけばいいのでしょう。2つのポイントがあります。
□ 実際に例を出すなど具体的に教える
□ 細かいことを気にしない

まずは親がやってみる。そして「これぐらいの大きさに切ろうね」と見せて伝えれば子どもも理解しやすいものです。
細かいことを気にしないのも大切。筆者も短気でついついイライラしがちですが(苦笑)、子どもを信じて待つことや、思い通りにできなくても「まぁ、いっか!」と思うことも大切ですよね。

子どもはちょっとしたことで自信をつけたり、なくしたりするものです。明るく大らかな気持ちで声をかけていきましょう!

Q. 包丁以外のキッチンツールは?

□ ピーラー
□ 料理バサミ
□ 泡だて器 など

ピーラーや料理バサミもお料理には欠かせませんよね。

ピーラーはコツをおぼえれば簡単。泡だて器は手首の使い方の練習にもなりますよ。

「まだ包丁は難しかった…」というお子さんは手で野菜の皮むきをするのはどうでしょうか。玉ねぎやトウモロコシをむいてみたり、キノコをさいたりレタスをちぎったりするのもよいですね。
また、旬のものを伝える・知ることも「食育」の大切な要素です。遊び感覚で食育をしながら親子のコミュニケーションを深めていきましょう。

Q.どんなレシピがオススメ?

□ サラダ(具だくさん)
□ スープ(具だくさん)
□ ミニピザ(オーブントースターで焼く)
例えば、火をあまり使わずにできるレシピや数分煮込んでしまえばOKのもの、オーブントースターにお任せのレシピなどはどうでしょう?
ポイントは、たくさんの具材を使うこと。包丁を使ったり食材に触れて作業をする練習になりますよね。
ミニピザもミニトマトやベーコン、ピーマンやパプリカなど様々な具材を使えば見た目も素敵に仕上がりますよ。

筆者は子どもとマカロニサラダを作ってみました。
ゆで卵やマカロニを茹でるのは主に私が。卵やキュウリ、ミニトマト、ベーコンを子どもと一緒に切って、ベーコンはフライパンで軽く焼いてみました。ゆで卵をむくのも上手くなりました。

マヨネーズであえて、牛乳と塩コショウも少々加えて完成。お料理が楽しくなってきた模様です!
普段であればキュウリを薄切りにするのですが、ゴロゴロしたキュウリも十分美味しいですよ。
余裕があればドレッシングを手作りするのもよいですね。

包丁を使えば、知らず知らずのうちに学べることがたくさんあります。

包丁を使うことで様々な料理ができるようになるのはもちろんですが、実はもっと多くのことを学べます。
例えば、切りながら数を数えたり、指先の感覚もつかめるように。
また、切りながら頭の中で「どうしたらいいかな?」と考えられるようにもなります。ニンジンをイチョウ切りにしていくときに「先の部分はどうしよう?」とか、ハムを小さい四角にしていくときに「端っこの部分は四角にならないけどどうしたらいいかな…」などなど。
このような経験を通して子どもの思考力や応用力は身についていくものなのです。
もちろん、子どものときから料理に親しんでおけば食への関心も高まりますし、自分で作った料理なら食べたくなるのが子ども心。
このように包丁を使うメリットはたくさんあります。ぜひ、お子さんにぴったりの包丁を見つけて一緒にお料理をするひとときを楽しんでくださいね。