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9月8日は「ハヤシの日」。ハヤシライスの名前の由来は「ハヤシさん」が有力!?

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

9月8日は「ハヤシの日」。ハヤシライスの名前の由来は「ハヤシさん」が有力!?

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9月8日は「ハヤシの日」。ハヤシライスという名前の由来は、林さんというお客さんがレストランで毎日注文していたから、英語で細切れ肉を意味する“ハッシュ”がなまったから、など諸説ありますが、最も有力とされているのは、書店「丸善(まるぜん)」の創業者、早矢仕有的(はやし・ゆうてき)が考案したという説です。

「ハヤシライス生みの親」とされる早矢仕有的の誕生日が9月8日であることから、丸善はこの日を「ハヤシの日」と制定しました。

ハヤシライスの名前の由来はハヤシさん?

書店「丸善(まるぜん)」の創業者である早矢仕有的は、天保8(1837)年、現在の岐阜県に生まれました。名古屋などで修業を積んだのち、故郷に戻り医師として働いていましたが、江戸に出て福沢諭吉に師事します。

そして「貿易で国を豊かにし、日本人を幸せにしたい」という志のもと、明治2(1869)年、ヨーロッパから洋書や雑貨を輸入する「丸善商社」を横浜で創業しました。翌年以降、東京・日本橋、大阪、京都、名古屋などに、本や薬を販売する店舗を次々と開設します。

早矢仕有的は、日本を訪れていた外国人と親交があり、西洋料理にもなじみがあったそうです。彼は友人が訪ねてくると、ありあわせの肉と野菜をごった煮にし、ご飯にかけたものを振る舞っていました。この料理はとても評判がよく、やがて「ハヤシライス」と呼ばれるようになりました。そして、明治の中ごろには、町の洋食レストランで「ハヤシライス」が出回るようになったといわれています。

昭和29(1954)年、丸善は日本橋店の屋上レストランでハヤシライスの提供を始めます。現在は、丸善が運営するカフェで味わえるほか、レトルト食品としても販売されています。

ハヤシライス、ハッシュドビーフ、ビーフストロガノフの違いは?

ハヤシライスは、薄切りの牛肉、玉ねぎ、キノコなどをデミグラスソースや赤ワインとともに煮込み、ご飯の上にかけて食べる洋食料理です。また、ハッシュドビーフも同じような煮込み料理であり、見た目や材料がよく似ています。

実は、ハヤシライスとハッシュドビーフには明確な違いはありません。ハウス食品が2014年に実施した調査によると、ハヤシライスは「子どもが好きな、甘みのあるトマトソース味」、ハッシュドビーフは「デミグラスソースをベースとした大人の味」というメニューイメージをもつ人が多かったそうです。

一方、ビーフストロガノフは、デミグラスソースにサワークリームで仕上げる料理です。酸味とコクのあるクリーミーな味わいが特徴で、主にロシア料理として知られています。

アレンジレシピやご当地ハヤシ……いろんなハヤシライスを楽しもう

ハヤシライスは、子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている洋食店のメニューです。アレンジやリメイクとしては、オムライスにハヤシライスのソースをかけた「オムハヤシ」や、ハヤシライスの上にとろけるチーズを乗せてオーブンで焼いた「ハヤシドリア」などがあります。

岐阜県恵那市には、恵那にゆかりのある早矢仕有的にちなみ、ご当地ハヤシライス「えなハナシ」があります。この料理には、地元の古代米を使った薬膳米のごはん、恵那山麓で寒天を食べて育った三浦豚、そして恵那市の特産品である寒天が使われています。寒天をハヤシライスのソースに加えることで粘度が高まり、独特のとろみが生まれるのだそう。こちらも気になりますね。

9月8日「ハヤシの日」には、洋食店や喫茶店で昔ながらのハヤシライスを味わったり、自宅で正統派のハヤシライスを作ってみたり、アレンジレシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。定番は白ごはんですが、古代米や五穀米と合わせてみるのもおすすめですよ。