龍谷大学法学部の企画・広報スタッフ「LeD's(レッズ)」の皆さんが、イベント『SDGsってナニ?~一緒に料理を作り、答えよう!~』を、2019年11月30日(土)に開催。地元の砂川小学校と深草小学校4~6年生の約20名が参加しての6時間は、大人でも難しい「SDGs」について知り学ぶきっかけとなりました。
ご存じでしょうか?「SDGs(Sustainable Development Goals)」。直訳すると「持続可能な開発目標」。世界が抱えるさまざまな問題を誰ひとり取り残さないよう解決するために、達成すべき17の目標があるのが特徴です。(参考=https://www.unic.or.jp/)
ここ数年、オークランド大学(ニュージーランド)、マンチェスター大学(イギリス)に、日本では京都大学や東京大学、大阪大学など、「SDG」の枠組みを通じて社会貢献している大学が多々あります。その中で、龍谷大学法学部は、2018年6月27日に「SDGs宣言」を採択。その一歩を踏み出し、「LeD’s」の皆さんが行動を始めました。
龍谷大学法学部の学生による企画・広報スタッフ「LeD’s」。2013年から同学部法律学科の畠山亮先生が学生等とともに立ち上げられた法学部の企画・広報スタッフで、オープンキャンパスでの「模擬裁判」をはじめ、法律はもちろん社会問題などに若い人が興味を抱くよう、さまざまな取り組みをされてきました。
イベント『SDGsってナニ?~一緒に料理を作り、答えよう!~』は、地元の人たちとのコミュニケーションを兼ねて何か出来ないかということから、小学生を対象に行おうということから始まりました。なかなか難しかったのは、内容をどうするのか。学生スタッフ同士の意見のすり合わせがうまくいかず、順調に進まなかった時もあったといいます。
今回の内容は「小学生に興味を持ってもらうこと」を一番に考えスタッフ内で意見交換。できるだけ一から手作りして関わってもらうこと、楽しく考えてもらうことで、より記憶に残るようにと思い大きく2つの体験に決定。学生スタッフからの話では…
その1「一緒に料理を作る」。今回の企画で取り上げるSDGsの主な目標(ゴール)が「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「12.つくる責任つかう責任」だったので、まずは発展途上国の郷土料理を選んだといいます。
とはいえ、小学生が食べるので、辛くないもの、苦くないもの。また、アレルギー物質を含まないものを選ぶように心がけ、失敗に繋がるあらゆる「してはいけないこと」への配慮が難しかったそう。
その2「SDGsに関するクイズ大会」「食育」。3つのゴールに関するクイズを、できるだけわかりやすく、また、小学生の知識の中で考えてもらえるように工夫し、食育は聞いてもらえるような、語りかけるようなスタイルにしたといいます。
イベント当日。会場は「龍谷大学深草町家キャンパス」で、まるでおばあちゃんやおじいちゃんのお家に遊びにきたかのようなアットホームな雰囲気でした。子どもたちは、受付に来た当初は少し緊張した面持ちながら、開会式が始まる頃には学生スタッフとも仲良くなり、可愛い笑顔を見せていたのが印象的。積極的に話しかける子どもがほとんどで、有り余るくらいの元気さに、学生スタッフは圧倒されつつも一緒に楽しむことができたといいます。
「一緒に料理を作る」は、カンボジア風五目野菜と挽き肉の春雨炒め、ベトナムのチキンフォー、ソマリアのアンジェロがメニュー。子どもたちが自ら「お手伝いしたい!」と申し出て、料理の配膳までもお願いすることになりました。また「クイズ大会」や「食育」は、あちこちから答えを叫ぶ声が聞こえて、楽しく学習していたよう!
子どもたちは「フォーをイチから作るのが面白かった」「SDGsって言葉は覚えたよ~」「お姉さんとお喋りするのが楽しかった」「ご飯は残さず食べる!って思っています」などいろいろな感想を話してくれました。
「LeD’s」の代表、加藤さんに話を聞きました。
― 今回の目的は?
『そもそも子どもたちは「SDGs」について知らないだろうと予想していたので、イベント名にもある通り、まずはSDGsとはなにか「知ってもらう」のが今回のミッションでした。そして、「SDGs」のうち3つのゴール、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「12.つくる責任つかう責任」を取り上げていたので、その3つについて主に伝えられれば良いと考えていました。』
― 具体的には?
『今どれほどの食品ロスが出ているのか、大量の食品ロスがあるにもかかわらず、満足に食べることができない人は世界中に何人いるのかを知ってもらい、自分たちの「つくる責任つかう責任」について考えてもらうきっかけになればと思います。』
― 今回のイベントを終えて感想を
『参加してくれた小学生の子どもたちが始終笑顔だったことを嬉しく思っています。一部スケジュール通りにいかない部分もありましたが調整をしながら、閉会式の予定時間に合わせられて良かったです。とにかく、臨機応変な対応が求められましたが、学生スタッフ、先生や教務課の方のご協力のもと、何事もなく無事に終えたことに安堵していますし達成感があります。その反面、反省点も。今後の課題として「LeD’s」一同に共有し、改善していきたいと思います。』
― 「SDGs」についてどのように思いますか?
『「SDGs」は大きな世界のことを扱っていることもあり、なんとなく難しく、自分たちからはほど遠いように感じてしまうと思います。しかし、よく中身を見ると「SDGs」を達成するために、私たちでもできる些細なことがあるとわかります。各家庭が少し食品ロスを減らすことは「12.つくる責任つかう責任」に繋がるし、ジェンダーについて正しく理解することは「5.ジェンダー平等を実現しよう」に繋がります。そもそも「SDGs」について知り、だれかと話して輪を広げていくことも「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に繋がると考えます。
「SDGs」は、2030年までの目標なのであと約10年しかありません。SDGsに定められていることは本当に当たり前のことで、ずっと考えていくべきことですから、特別なことでも難しいことでもないと思います。自分たちが住んでいる国や世界を考える一つのきっかけとして、出来ることから進めていきたいと思います。』