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大豆が世界を救う?! 身近な食材・大豆の最前線はスゴイことになっていた!
  • BUSINESS
  • 2018.03.23

大豆が世界を救う?! 身近な食材・大豆の最前線はスゴイことになっていた!

「大豆から作ったチーズや生クリームがあるらしい」という情報をキャッチした編集部。牛乳を使わないでそんなことができるのでしょうか?そして気になるお味は?さっそく調査をしてみると、おもしろい事実がたくさんわかってきました。なんと、牛乳の代わりに大豆を使うことは、人類の食料危機を救うことにつながるらしいのです?!

そこで大豆にまつわるお話を聞きに行ったのは、前回チョコレートの豆知識を教えてくださった、清水社長率いる不二製油。不二製油は、大豆の研究でも世界の最先端を走っている会社なのです。それではさっそく教えてください、清水社長!

不二製油の清水社長に聞きにいってきました!

編集部:大豆からチーズや生クリームを作ることができると聞いたのですが、本当ですか?

清水社長:本当ですよ。厳密にはチーズは動物の乳からつくられているものを指しますから、チーズのようなものでしょうか。これらはブロックタイプやクリームチーズタイプ、マスカルポーネタイプがあります。そのほかにも、生クリームのような豆乳クリーム、お肉の代わりになる大豆たんぱく製品など不二製油ではいろいろな大豆製品を作っています。今日はいろいろ試食をご用意しましたので、まずはひとくち食べてみてください。ブロックタイプのチーズ、大豆たんぱくを使った唐揚げ。それに豆乳から作ったマヨネーズタイプのディップや胡麻ドレッシング、それから、とっておきの豆乳もあります。デザートには、いま巷で流行りつつある “ティラティス”をどうぞ!ティラティスとはマスカルポーネチーズの代わりに、豆乳でつくったクリームを使ったティラミスのことです。

編集部:わー!ありがとうございます!どれも見た目は乳製品でつくったものと全く変わらないですね。では、さっそくチーズからいただきます。

ブロックチーズタイプ(大豆舞珠ぶろっく)

編集部:これは・・・普通にチーズですね。プロセスチーズという感じでしょうか。コクもしっかりあっておいしいです!チーズってカロリーが高いので、少しでもヘルシーになるならうれしいですね。ちなみに本当に豆乳でできているんですか?

世界初の技術・USS製法で料理の可能性が広がる!

清水社長:そうですよ。動物由来原料はゼロ、香料も使っていません。加熱したら溶けておいしいので、ピザやグラタンにもオススメです。これらの豆乳製品は、不二製油が開発したUSS製法という世界初の食品加工技術でつくられています。USSはウルトラ・ソイ・セパレーション(Ultra Soy Separation)の略。セパレーション、つまり大豆を、「豆乳クリーム」と「低脂肪豆乳」、「おから」にわける技術で、従来の豆乳にはなかったおいしさや機能を引き出すことができます。卵を卵白と卵黄にわけるのにも似ていて、「低脂肪豆乳」でメレンゲもできますし、「豆乳クリーム」でマヨネーズタイプのディップもできるんですよ。

編集部:では、豆乳マヨをこの大豆でできた唐揚げにつけて食べてみます。

大豆たんぱくを使った唐揚げ

編集部:これは、言われなければ大豆だなんて思わないくらい鶏のからあげです!!すごいですね〜。そしてマヨも後味があっさりとしていて飽きのこない味。どちらも家に常備したいレベルです。これって、大豆でできているっていうことは、やっぱりカロリーも低いのでしょうか?

清水社長:動物性のものよりカロリーが低いのはもちろん、「畑のお肉」といわれる大豆は栄養たっぷり。良質な脂質、ビタミン・ミネラル、食物繊維が豊富です。さらに大豆たんぱく質は、血清コレステロールを低下させ、大豆イソフラボンは骨を丈夫に維持するなどさまざまな効果も期待でき、特保(特定保健用食品)にも使用されています。また、弊社が開発した豆乳クリームは野菜や果物の味を引き出してくれますし、和風だしにもよくあいます。料理の可能性を広げてくれる「新素材」といえるでしょう。

半世紀前から大豆を研究してきた不二製油による「大豆ルネサンス」とは?

編集部:ところで、なぜ製油会社である不二製油が、こんなにも熱心に大豆の研究をしているのでしょうか。

清水社長:ふふ、いい質問ですねぇ。不二製油は、創業以来、大豆についてさまざまな研究を重ねてきました。製油とは、油糧種子を絞ること。その種子とは菜種や綿花、そして大豆などです。弊社も大豆を絞って油を作っていたのですが、大豆って15〜20%が油分であるのに対して、たんぱく質は30%も含まれています。他の製油会社は油を搾った残りのたんぱく質(脱脂大豆)を家畜の飼料なんかにしていたのですが、不二製油はそれではもったいない、なんとか生かせないかと考えて研究してきたのです。

編集部:前回、不二製油は製油会社のなかでも最後発なので、他社と違うことをしないと生き残れなかったと仰っていましたね。大豆事業もそのひとつというわけですか。

清水社長:その通り。いま、不二製油は「大豆で世界を変えていく」ことを目指して“大豆ルネサンス”というビジョンを掲げています。ルネサンス、つまり再生。大豆の原点に戻り、これまでにない大豆の新しい価値を創造して、人と地球に貢献しようというものです。

大豆畑

大豆は世界の飢餓問題を解決する救世主?!

編集部:おお、なんだかよくわからないけど、壮大ですね。大豆で人と地球に貢献ってどういうことでしょうか?

清水社長:大豆を食べることは人類のためにも、地球のためにもなるのです。というのも慢性的な食料不足が懸念されるなか、世界的に人口が増え続けています。そして数十年後には動物性のたんぱく質が不足するといわれていますね。しかし1キロの牛肉を育てるのに約10キロの穀物が必要であり、効率の観点からみると肉というのは非常に生産効率の悪い食料。今後、世界ではもうこれ以上家畜を増やせなくなるでしょう。そんななか、栄養価に優れ栽培しやすい大豆は、動物性たんぱく質に代わる主要タンパク源となれるもの。人類の救世主になれる食品なのです。

編集部:なるほど。おいしい大豆食品があれば、お肉や乳製品がなくても豊かな食生活を送れるかもしれないですね。

清水社長:また、大豆たんぱく質をとることは地球環境保護にもつながります。牛の排出するメタンガスは、温室効果が高いということをご存知ですか?なんと二酸化炭素の50倍以上もの温室効果を持っているそうです。ですから大豆を食べることによって1%でも牛肉の生産が減れば、地球にも優しいというわけです。

編集部:おお、大豆すごいですね!私はこの先ずっと大豆の唐揚げ&チーズでも大丈夫です!おいしかったですから。

食の価値は時代とともに変わるもの

清水社長:ありがとうございます(笑)。昔は卵が高価で、病気のお見舞いに持っていったものですが、いまではどこの家にでもある。お土産に持っていったら驚かれますよね(笑)。このようにモノの価値、人々の価値観は時代と共に変化していきます。お肉に特別な価値を感じている人も、若い人を中心に以前よりも減ってきているように思います。将来は肉でなくても、おいしければ別の素材でも構わないと考える人も増えるでしょう。

編集部:おいしくて身体にもよいなら、大豆を選択する人も増えそうですね。

清水社長:しかも、それが地球と人類のためになるならなおさらです。食の問題は、すぐそこに迫っています。だからこそ私たち不二製油はさまざまな技術を武器に、持続可能な食の創造に取り組んでいるのです。大豆は人類の未来を切り拓ける、大いなる豆ですよ!

編集部:清水社長、ぜひ人類と地球のためにこれからもおいしい大豆食品をたくさん生み出してください!今日はありがとうございました。

清水 洋史 氏

清水 洋史 氏

しみず ひろし

不二製油グループ本社株式会社 代表取締役社長

不二製油は1950年の創業。南方系植物性油脂と大豆を原料とした素材開発を進め成長。食品素材分野のたゆまぬ技術革新を続け、昨今では、「油脂」「製菓・製パン素材」「大豆」の3つのセグメント間のシナジーを追及。チョコレート用油脂と業務用チョコレートをはじめ、クリームやマーガリンといった製菓・製パン素材、大豆たん白食品等の大豆素材の分野において、世界を舞台に事業を拡大する