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コンビニの棚に並ぶ、伯爵の食べ物

安房 忠史

ライター

コンビニの棚に並ぶ、伯爵の食べ物

安房 忠史

ライター

全国に5万軒以上あると言われるコンビニエンスストア。現代人であれば必ず一度は訪れたことがあると思います。
コンビニエンス=便利という名の通り、食品から家電製品までいろいろな商品がひしめくコンビニエンスストアにあって、いちばんの目玉商品はなんでしょうか?
お弁当?ペットボトル飲料?それともレジ横に並べられたホットフード?いろいろな声が聞こえてきそうですが、おそらく「おにぎり」と答える人と「サンドイッチ」と答える人が飛びぬけて多いのではないかと思われます。

みなさんはどちら派でしょう?かく言う筆者は「サンドイッチ」派です!
多くの店舗で入り口からまっすぐ正面の陳列棚の一番上を占めることが多いサンドイッチ。おにぎりも確かに捨てがたいのですが、無駄なく隙間なく陳列されている姿の可愛さ、小腹を満たすときにもがっつり食事をしたいときにも手に取ることができるユーティリティ性、肉系から野菜系までさまざまな食材を楽しめるバラエティ性など、筆者を魅了するサンドイッチの魅力は多くの方に共感いただけるかと思います。

名前もわかりやすく可愛いですよね!定番のレタスハムサンド、人気のツナサンド、そして2023年現在すっかり高級料理のようになってしまったタマゴサンド。ツナをサンドするからツナサンド、タマゴをサンドするからタマゴサンド。なんというわかりやすさ!!

・・・ん???でもちょっと待てよ?
確かに、俗語でなにかを挟むことを「サンド」するって言いますけど、「サンド」するからサンドイッチなのか?サンドイッチのように挟むから「サンド」なのか?どっちでしたっけ?

サンドウィッチ伯爵を追って・・・

答えは調べればすぐわかりました。
どうやら語源は「サンドイッチ」のほうのようです。
国語辞典で「サンド」の意味を調べると(1)に「サンドイッチの略」、(2)に「(1)より何かを挟むこと」と書いてありました。

え!?じゃあサンドイッチってなんで「サンドイッチ」って言うの???
同じく国語辞典で調べると、「薄く切ったパンの間に肉・卵・ハム・野菜などを挟んだ食べ物。英国のサンドイッチ伯爵の思いつきという。」(Weblio国語辞典・デジタル大辞泉より)とあります。
英国のサンドイッチ伯爵が思いついたからサンドイッチ・・・。謎が謎を呼びますね。英国のサンドイッチ伯爵とは何者なのでしょう???

謎を解き明かすべく、取材班は英国へと向かった・・・となればよかったのですが、予算やスケジュールの都合上、近くの図書館へ。

検索機で「サンドイッチ」と検索しますが、出てくるのは食べ物のサンドイッチばかり・・・。悪戦苦闘の末、ついにその人物の謎に迫ることができました。

サンドイッチを思いついたとされるサンドイッチ伯爵、より正確にはサンド”ウィ”ッチ伯爵というそうです。最初から「ウィ」で検索すりゃよかった。
サンドウィッチ伯爵というのは何代にもわたって受け継がれている由緒正しい名前のようですが、食べ物のサンドイッチを思いついたとされるのは第4代サンドウィッチ伯爵とのことです。
第4代サンドウィッチ伯爵がトランプゲームの最中、食事でゲームを中断することを惜しんで、パンに肉や野菜を挟んで片手で食べられるようにしたからこの料理にその名がついたという俗説があるようです。

サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギューの一生

本名はジョン・モンタギュー。1718年から1792年の時代を生きた英国の政治家で、20代にして貴族院議員となり、おもに国防の分野で主張を展開。1744年には海軍大臣に就任し、その後すぐ陸軍大臣にも就任しています。
1746年には、世界史の授業でもおなじみのブレダ会議に英国の全権大使として参加。オーストラリア継承戦争の終結に尽力したようです。

その傍らで芸術支援や航海冒険家の支援も行っていたようで、特にキャプテン・クック(ジェイムズ・クック)への支援を熱心に行っていたという記録が残されています。
クックが冒険を行ったサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島にもその名を残されており、また現在のハワイ諸島(こちらもクックが冒険を行ったことで知られています)も、かつてはサンドウィッチ諸島と呼ばれていたのだとか・・・。

政治家として長く活躍し、通算3度にわたる海軍大臣への就任のほか、郵便大臣など主要な閣僚ポストに多く就き、1782年まで有力政治家として長く活躍したと言われています。

三角形の可愛らしいサンドイッチのイメージとは少し異なる、エネルギッシュな人物だったようですね。
先ほどお伝えした「トランプゲームの最中・・・」というエピソードも、実は捜索ではないかと言われており、研究者の中には「多忙な人物だったゆえ、トランプゲームではなく、政務の最中に片手でサンドイッチをつまんではいただろう」とする人もいるのだそうです。

2023年のサンドウィッチ伯爵

第4代サンドウィッチ伯爵ことジョン・モンタギューの家系は実は2023年現在に続いています。
やはり英国貴族院議員のジョン・エドワード・ホリスター・モンタギュー氏は第11代サンドウィッチ伯爵だそうで、政治家として活躍する傍ら、2004年には実の息子さんたちと共同で、なんとサンドイッチレストランを開業したそうです。

サンドウィッチ伯爵ゆかりのサンドイッチレストラン、その名も『アール・オブ・サンドイッチ』(日本語に訳すと『サンドイッチ伯爵』)。有名テーマパークを中心に米国や欧州に複数の店舗を構えるまでになっているそうです。
サンドウィッチ伯爵ゆかりのサンドイッチ。果たしてどんな味がするのでしょうか?
コンビニエンスストアのサンドイッチを食しながら、そのようなことを思います。