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毎月17日は「いなりの日」。江戸時代には約18センチのいなり寿司が切り売りされていた!

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

毎月17日は「いなりの日」。江戸時代には約18センチのいなり寿司が切り売りされていた!

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

毎月17日は「いなりの日」です。日付の「17」を「い~な」と読む語呂合わせにちなんで、いなり寿司の材料を製造する長野市の老舗食品メーカー・みすずコーポレーションが制定しました。

また、2月最初の午(うま)の日「初午(はつうま)」には、全国の稲荷神社で五穀豊穣や商売繁盛を願う「初午祭」が行われます。その供え物として親しまれているのが、いなり寿司です。このことから、2月11日は「初午いなりの日」として、「いなりの日」とは別に制定されています。

江戸時代の人気ファストフードだったいなり

いなり寿司に使われている油揚げは、稲荷神の使いとされるキツネの大好物といわれています。本来、キツネが好んで食べるのはネズミです。

稲荷神社では殺生を避ける考えから、ネズミの代わりに大豆から作られる油揚げを供えるようになったと伝えられています。その風習が広まり、油揚げを使った「いなり寿司」が誕生したといわれています。

「いなり寿司」の語源ははっきりとわかっていませんが、稲荷神社に関係していると推測できます。「いなり寿司」の名称が文献に登場するのは江戸時代後期のことです。

江戸・京都・大坂の風俗事典『守貞謾稿(もりさだまんこう)』には、天保末年(1840年代)に江戸の歓楽街で、キクラゲ、かんぴょうなどを刻んで入れたご飯を、袋状にした油揚げへ詰めた寿司が売られていたことが記されています。

当時のいなり寿司は、長さ約18センチの細長い形をしていました。価格は1本16文(約480円)で、半分の8文(約240円)、さらにひと切れ4文(約120円)と切り売りされていました。安くておいしく、箸を使わず手軽に食べられることから、庶民に親しまれる「ファストフード」だったそうです。

*1文=約30円で換算

なお、いなり寿司と巻き寿司の組み合わせを「助六寿司」と呼ぶのは、歌舞伎の演目『助六所縁江戸桜』の主人公・助六と、その恋人である花魁・揚巻(あげまき)に由来するといわれています。

「揚巻」という名前が、「揚げ(いなり寿司)」と「巻き(巻き寿司)」を連想させることから、この組み合わせを「助六寿司」と呼ぶようになったとされています。

見た目も具材もまったく違う! ご当地いなり寿司いろいろ

いなり寿司の形が、東日本と西日本で異なることをご存じでしょうか。東日本では豊穣を表す米俵を模した「俵型」、西日本では稲荷神の使いとされるキツネの耳を模した「三角形」が主流です。また、油揚げに詰める具材にも違いがあり、東日本では酢飯のみが一般的ですが、近畿以西から九州にかけては、ニンジンやしいたけなどを混ぜ込んだ酢飯を使う地域が多いようです。

全国には、地域ならではの個性豊かないなり寿司もあります。

長野県松本地方には、油揚げを裏返して使い、ご飯にからしを塗る「からしいなり」、岐阜県白川町には、味付けしたこんにゃくに酢飯を詰めた「こんにゃくいなり」があります。

茨城県笠間市は、年間300万人以上が参拝する笠間稲荷神社の門前町として栄えてきました。蕎麦やくるみ、舞茸などを具材にした「笠間いなり寿司」が、ご当地グルメとして親しまれています。

沖縄には、白っぽい油揚げを使った「白いなり(沖縄いなり)」があります。あっさりとした薄味のいなり寿司に、ガーリック風味のフライドチキンを合わせるのが定番だそうです。

真似したい! 世界のおしゃれないなり寿司

韓国のいなり寿司は「ユブチョバプ」。ユブは油揚げ、チョバプは酢飯という意味です。コンビニでも手軽に買える人気食で、遠足や運動会のお弁当の定番メニューにもなっています。韓国のスーパーマーケットでは味付け油揚げと酢、野菜フレークがセットになった「いなり寿司キット」が何種類も販売されており、家庭での人気もうかがえます。

オーストラリアやニュージーランドでは、カニカマやツナマヨ、マッシュルームサラダなどをトッピングしたいなり寿司が大人気。地方のショッピングモールでも、巻き寿司といなり寿司をケーキのようにディスプレイする専門店があるそうです。

 

毎月17日は「いなりの日」です。ふだん何気なく食べているいなり寿司の歴史や地域ごとの違いに思いを馳せながら、地元のいなり寿司を味わったり、好きな具材をのせてアレンジを楽しんだりしてみてはいかがでしょうか。