野菜=健康的というのは間違っていませんが、食べ合わせが悪いと本来摂れるはずの栄養が損なわれたりすることがあります。一方、他の食品と一緒に食べることでよりよい効果をもたらすことも。
そこで今回は野菜ソムリエ頭川展子さんに、身近にある食べ合わせの良いもの、悪いものについて教えてもらいます。
頭川さん曰く「食べ合わせの良いものというのは、昔からの知恵と言いますか、普段から家庭や料理屋さんで提供されている見慣れたものが多いのです。もちろんそれには理由があるので、理由も含めてご紹介していきますね。」
お刺身と大葉
居酒屋さんに行くと必ずと言って良いほど出てくる人気メニュー。よくツマとして使われている大葉には殺菌、防腐効果があるので、食中毒予防にもなり生ものとの相性が凄く良いのです。もちろん美味しいですし。
キャベツととんかつ
とんかつ屋さんへ行くと必ずこのようにキャベツの千切りがセットで出てきますね。これにもちゃんと理由があります。キャベツにはビタミンUが含まれていて、これがとんかつの油分から胃を守ってくれるのです。このビタミンUは熱に弱いため、キャベツは生なのです。
天ぷらと大根おろし
天ぷらを大根おろしのたっぷり入った天つゆで。最高ですよね。実は大根は消化酵素を多く含んでいて、消化をサポートしてくれるので天ぷらなど油分を含む料理と非常に相性がいいのです。
納豆とネギ
納豆のビタミンBがネギのアリシンの吸収をよくしてくれます。味としても相性も良いですし、納豆好きな方はネギも一緒にどうぞ。
次に意外と知らない食べ合わせの悪いものをご紹介します。
きゅうりとトマト
緑、赤と彩りがよくサラダなどで合わせてしまいがちなこちら。実はきゅうりに含まれている酵素物質「アスコルビナーゼ」がトマトのビタミンCを壊して(酸化させて)しまうのです。せっかくトマトを食べているのにもったいないですよね。
このアスコルビナーゼ、実は酸に弱いので、お酢を使ったドレッシングやマヨネーズで和えるとビタミンCを吸収しやすくなります。(アスコルビナーゼはニンジンにも含まれています)
ゆで卵とほうれん草
卵をゆでると卵白のアミノ酸が硫黄成分を生成します。ほうれん草には鉄分が含まれていますが、この硫黄成分のせいで吸収が妨げられてしまうのです。神経質になりすぎなくてもいいですが、目玉焼きや半熟卵にすることで硫黄成分の生成を抑えられます。
大根としらす
しらすにはアミノ酸(リジン)が豊富に含まれているのですが、大根のある成分がこの吸収を邪魔してしまいます。
スイカとビール
こちらは結構有名ですが、スイカとビールは共に利尿作用があるので、脱水症状などを起こしやすくなるので危険です。スイカは、塩分排出を手伝ってくれるので、ラーメンなどと一緒に食べるはおすすめです。
今回は食べ合わせの良いもの、悪いものの一部を紹介しました。それほど神経質になりすぎなくてもいいですが、せっかく栄養を考えて野菜を食べるなら、できるだけ効率よく摂りたいですから豆知識として覚えておくと良いと思います。