3月8日は「ギョーザの日」。2022年、味の素冷凍食品株式会社が、冷凍ギョーザの発売50周年を記念して3月8日を「ギョーザの日」と制定しました。
実は、そもそもは旧暦の1月1日が「ギョーザの日」とされてきました。その理由は、餃子の生まれ故郷である中国で、旧正月に縁起のいい食べ物として餃子を食べる習慣があることから。餃子は、形が古銭に似ていることから金運、「餃子」の文字が、子宝に恵まれるという意味があることから子孫繁栄を願う意味があるのだそうです。
しかし、旧正月だと毎年日付が変わってしまうため覚えにくいという理由から、「ギョーザの日」は3月8日に改められました。これは、「餃子でみ(3)んなハッピー(8)に」という語呂合わせで決められました。
餃子が生まれたのは、紀元前のこと。紀元前3000年ごろの古代メソポタミア文明の遺跡から小麦粉の皮に具を包んで加熱された食べ物の痕跡が発見されています。この餃子の元となった料理が中国に伝わったといわれています。
中国・山東省では、紀元前600年ごろの遺跡から副葬品の青銅器の中で三角形の粉食が見つかっています。これが、中国最古の餃子だと推測されています。
中国から日本に餃子が伝わったのは江戸時代です。書物で確認できるのは、水戸藩二代藩主である徳川光圀公・水戸黄門が家臣に命じて編纂させた書物「舜水朱氏談綺」です。この書物は、日本の門弟からの質問に対して、当時の中国・明から招かれた儒学者・朱舜水が答えた内容が書かれたものです。
その中に、「福包(ふくつつみ)という餃子が、徳川光圀公・水戸黄門に献上された」と書かれています。この餃子には鴨肉や松の実、クコの実などが餡として使われていたそうです。このことから、水戸黄門は「日本で初めて餃子を食べた人物」といわれています。しかし当時は肉食が禁止されていたこともあり、餃子は普及しませんでした。
日本で庶民が餃子を食べるようになったのは、第二次世界大戦後のことです。中国・東北地方(旧・満州)から帰国した日本人兵士が、現地で食べていた餃子を再現しようと作ったものが広まったといわれています。また同じころ、日本国内にでき始めた中華料理店でも餃子が提供されるようになりました。
中国では、水餃子や蒸し餃子が主食として食べられています。しかし、日本は米食が中心だったため、白ごはんのおかずとして食べやすい、パリッと焼く薄皮の焼き餃子が主流になりました。日本では主に豚ひき肉が使われますが、中国では牛肉やロバ肉、羊肉を使う、ニンニクを入れない、そして黒酢につけて食べるのが一般的だそうです。
近年、日本の家庭では餃子の皮を使ったアレンジ料理も人気です。サツマイモやフルーツ、あんこなどを包んだ「スイーツ餃子」、ハムやコーン、チーズなどを乗せて焼く「餃子の皮ピザ」は、もはやおなじみですよね。餃子の皮は和洋中どんな具材にも合う、おかずにもおやつにもおつまみにも展開できるとあり、餃子の皮を使ったレシピは料理本やレシピサイトで数多く紹介されています。
3月8日「ギョーザの日」、好みの具材を入れて手作りするのも良し、冷蔵・冷凍食品で気軽に食べるのも良し。老若男女、みんなが大好きな餃子をめいっぱい楽しんでみてくださいね。