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脳が欲しがる、あまーい誘惑 ~ ショートケーキの真実 ~

山崎 英恵

龍谷大学農学部食品栄養学科教授、博士(農学)

脳が欲しがる、あまーい誘惑 ~ ショートケーキの真実 ~

山崎 英恵

龍谷大学農学部食品栄養学科教授、博士(農学)

ショートケーキって甘くて美味しくて、食べると本当に幸せな気持ちになります。ショットケーキってどうしてこんなに美味しいと感じるのでしょうか?そもそも私たちは、何故甘いものを食べたくなるのでしょうか?それには、脳のかしこい戦略がありました。

甘い=エネルギー

砂糖などによって舌が感じる「甘い」という感覚は、その食べ物に「エネルギーが含まれているよ」という信号です。
糖分は血糖を維持して、生命を保つために大切な要素であり、脳にとっては唯一のエネルギー源でもあります。甘いものが美味しいと感じられるのは、脳が自分にとって必要なエネルギーを効率よく摂取させようとする、うまい戦略なのです。

食べるべきか食べざるべきか?

甘くて美味しいショートケーキ、脳が欲しがっているからといって、毎日食べるには、ちょっと危険な存在です。
三角形にカットされたショートケーキひときれ(約100g)には、おおよそ350kcal近いエネルギーが含まれています。ペロリと平らげてしまうショートケーキですが、消費するには結構時間が必要です。
体重50kgの女子高生が、おやつにこのショートケーキを食べたとしましょう。消費するためには、ジョギングだと約55分、ウォーキングだと100分以上の運動が必要になってしまいます。

そもそも体は貯金体質。あまったエネルギーは無駄遣いせず、大切にとっておこうとします。エネルギーを消費せずに貯金し続けたとしたら…言わずもがなですね。
美味しいおやつは、運動とセットにして散財するのが得策!食べるべきか、食べざるべきか…いえいえ、食べることは喜びです。大いに食べましょう、そして後悔しないように運動も忘れずに!