TOP / Trivia / 2023年、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月16日(木)。石田三成ら戦国武将はワインパーティを開催、豊臣秀吉や徳川家康もワインを楽しんでいた!
2023年、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月16日(木)。石田三成ら戦国武将はワインパーティを開催、豊臣秀吉や徳川家康もワインを楽しんでいた!

Moglab編集部

Moglab編集部 取材スタッフ

2023年、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月16日(木)。石田三成ら戦国武将はワインパーティを開催、豊臣秀吉や徳川家康もワインを楽しんでいた!

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今年2023年、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月16日(木)です。ボジョレーヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区でその年に収穫したブドウで造られた新酒のこと。通常のワインは長期間熟成させることで美味しくなるのですが、ボジョレーヌーヴォーは9月に収穫したブドウをすぐに醸造し、わずか2ヶ月程度で完成します。短い醸造期間の中で香りや味わいを出すために、皮ごとタンクに入れて発酵させる独特の製造方法で造られるのが特徴です。そのため、鮮やかな赤紫色で渋みが少なく、フルーティな香りに仕上がります。

ボジョレーヌーヴォーの解禁日は、ブドウの収穫を祝うためのお祭りです。解禁日は世界共通で、毎年、11月の第3木曜日午前0時と定められています。時差の関係で、日本ではフランスよりも約8時間早く楽しむことができます。ワイン醸造関係者にとってもワイン好きの人たちにとっても、新酒をお祝いする特別な時期なのです。

宣教師から戦国大名への献上品は、赤ワイン

日本において、ワインの最古の記録は戦国時代、文明15(1483)年です。関白・太政大臣を勤めた近衛政家の日記「御法興院記」に、近衛政家が「珍蛇(ちんた)」というお酒を飲んだという記述があります。この「珍蛇」は、スペインやポルトガルから伝わった赤ワインだといわれています。「赤」はポルトガル語で「tinto(ティント)」といいます。日本に赤ワインが伝わる際、「tinto」が「珍蛇(ちんた)」になったとする説があります。

戦国時代は、ポルトガル、スペインとの南蛮貿易によりワインがもたらされた時期です。舶来品ということもあり、ワインは大名や武将たちに珍重されました。

最初に日本にやってきた宣教師は、天文12(1549)年の、イエズス会の宣教師・フランシスコ・ザビエルです。ザビエルは薩摩の守護大名・島津貴久に、美しいガラス瓶に入った赤ワインを献上します。この頃、足利義昭や織田信長も赤ワインを飲んだといわれていますが、定かではありません。

宣教師、ルイス・フロイスの「イエズス会日本年報」には、豊臣秀吉がワインを飲んでいたという記録があります。天正16(1588)年、秀吉は博多で“大いなる好奇心を持って”ポルトガル船を見学。「ポルトガル産の葡萄酒を賞味し、レモンの糖果漬けや葡萄酒をみやげに持ち帰った」と記されています。この数年後、別の宣教師が京都・伏見で秀吉に謁見した際には、ワイン2樽を献上しています。

慶長2(1597)年に書かれた茶人・神谷宗湛(かみや・そうたん)の日記には、豊臣秀吉に仕えた武将・石田三成が主催したパーティーについて書かれています。2月9日の夕に茶会が催され、宗湛は宇喜多秀家(うきた・ひでいえ)、伊達政宗、小西行長といった戦国武将とともに出席しました。道具の拝見を楽しんだのち、三成が長崎から取り寄せたワインがふるまわれたそうです。

徳川家康は甘口ワインが好み。外国から献上されたワインに大喜びしていた!

江戸幕府を開いた徳川家康は、甘口のワインを好んでいました。家康がワインと出会ったのは慶長10(1605)年。当時スペイン領だったフィリピン諸島の長官宛てに送った書簡に「贈り物の中に葡萄で造られた酒があり、私はそれを受け取って大いに喜んだ」と書いています。その後も家康は、スペイン国王大使から葡萄酒2壺、イギリス国王使節から甘い葡萄酒5壺など、何度もワインの献上を受けています。

しかし寛永18(1641)年、キリスト教が日本に普及することを恐れた江戸幕府は、スペイン・フランスの葡萄酒などキリシタンが通常使用するものの国内販売・贈答を禁止しました。その後、日本で再びワインが広まるのは明治期以降となります。

戦国時代や江戸時代のワインはどのような味だったかは明らかになっていません。想像すると、ヨーロッパから赤道を通り、何ヶ月もかけてやってきたワインは劣化していたと思われます。ただ、糖度が高く熱や酸化に強いマデラ酒やシェリー酒であったなら、美味しく飲めていた可能性が高そうです。

いまの日本では、コンビニやスーパーマーケットでも美味しいワインを入手することができます。2023年11月16日(木)、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は、さまざまなお店でボジョレーヌーヴォーが販売されます。ボジョレーヌーヴォーが飲めるのは、1年の中でもこの時期のみ。気軽にワインを飲めることを造り手や流通関係の人たちに感謝しながら、新酒のお祝いを楽しんでみてはいかがでしょうか。