2026年は、6月21日が1年で最も昼の時間が長い「夏至」にあたります。全日本菓子協会はスナック菓子をPRするために、夏至を「スナックの日」と制定しました。ではなぜ、「夏至の日」とスナックが結びついているのでしょうか。
日本には古くから、お正月に神様へ供えた鏡餅をかき餅やあられにし、夏至の頃に食べる「歯固め」という習慣があります。固いものを食べて歯を丈夫にし、健康と長寿を願うというものです。この風習が、「おやつ」や「軽食」を意味するスナックの記念日の由来になりました。
「スナック菓子」とひと口にいっても、実は明確な定義はありません。総務省統計局の家計調査では、じゃがいもやとうもろこし、小麦粉などを主原料とした菓子として分類されています。またカルビーは、「スナック」を「軽食」を意味する言葉とし、間食やおつまみなど手軽に食べられるお菓子と説明しています。代表的なものには、ポテトチップスやポップコーンなどがあります。
スナック菓子には、小麦粉系、じゃがいも系、コーン系、ナッツ系、ライス系などさまざまな種類があります。炭水化物を主原料とした商品が多く、比較的カロリーが高い傾向があります。一方で、塩分が多いイメージを持たれがちですが、商品によっては1袋あたりの塩分量はそれほど多くありません。表面に味付けが施されているため、実際の塩分量以上に濃い味を感じやすいとされています。
また、原料にはとうもろこしやじゃがいも、さつまいもなどの農産物が使われています。選び方や食べ方によっては、日々の間食を楽しみながら、こうした素材の風味を味わうこともできそうです。
ちなみに「スナック」の語源は、「かみつく」「つまむ」という意味のオランダ語「snacken(スナッケン)」とされています。ここから派生して英語の「snack(スナック)」になり、「おやつ」「おつまみ」「軽食」という意味で使われるようになりました。
ひと昔前は、テレビやビデオを観ながらスナック菓子を食べて過ごす人たちを「カウチポテト族」と呼んでいました。ソファ(カウチ)に座ったままポテトチップスを食べる姿から生まれた言葉です。
最近では、テレビに代わってスマートフォンやタブレットでSNSや動画、ゲームを楽しむ人が増えています。一方で、手が汚れることを理由にスナック菓子を敬遠する人も少なくありません。
そんな悩みを解決してくれるアイテムが、スナック菓子をつまむための専用トングです。岐阜県のキッチングッズメーカー・サンクラフトが販売する「ポテトング」は、2010年の発売以来、累計販売数55万本を突破しました。現在ではさまざまなメーカーから同様の商品が販売されています。
スマホを片手に動画を楽しみながら、もう片方の手でトングを使ってスナック菓子をつまむ。そんな光景が当たり前になれば、「カウチポテト族」に代わって「トング族」という言葉が生まれる日が来るかもしれません。
スナック菓子の代表格といえば、やはりポテトチップスでしょう。日本ではうすしお味やコンソメ味、のり塩味が定番ですが、海外に目を向けると国ごとの食文化がフレーバーにも反映されています。アメリカではバーベキュー味やサワークリーム&オニオン味、カナダではケチャップ味、イギリスではソルト&ビネガー味が人気です。韓国では2010年代にハニーバター味が大ブームとなり、現在も定番フレーバーのひとつとして親しまれています。
東南アジアでは、タピオカ粉を使った海老せんべいや、ピーナッツやえんどう豆などの豆菓子、ココナッツチップスなどが広く親しまれています。インドネシアでは、大豆発酵食品のテンペを薄く切って揚げたチップスや、キャッサバ芋のチップスが日常的なおやつとして食べられています。
同じ「スナック菓子」でも、地域によって原料や味付けはさまざまです。その土地ならではの食材や食文化が反映されており、世界のスナックを知ることは、その国や地域の暮らしを知ることにもつながります。
6月21日の「スナックの日」は、日本に古くから伝わる「歯固め」の風習と、現代のお菓子文化が結び付いたユニークな記念日です。普段何気なく手に取っているスナック菓子も、その由来や世界各地のバリエーションを知ることで、いつもとは少し違った味わいに感じられるかもしれません。